苫小牧市で二酸化炭素(CO2)を有効利用するカーボンリサイクルの事業化を議論する「苫小牧産業間連携検討会議」は28日、事業化実現に向けたシナリオを取りまとめた。既存産業を中心に付加価値でつなげ、水素や電力などの基盤を構築した上、脱炭素社会実現とCCUS(CO2を回収、有効利用、貯留する技術)産業の創出を目指す。
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の2021~22年度事業「カーボンリサイクル拠点実現可能性調査」の一環。
会議は事業を受託するデロイトトーマツコンサルティング合同会社(東京)と石油資源開発(同)が昨年9月に設置し、道や市、北電、出光興産、トヨタ自動車北海道、王子ホールディングス、苫東、苫小牧港管理組合、日本CCS調査など、約40事業所・団体が参加している。カーボンリサイクル拠点化に向け、産業間連携の機運を醸成。この日は3回目会合を市内のホテルで開き、カーボンリサイクル案を取りまとめた。
苫小牧港周辺は原油の商業生産、製油所や石油備蓄基地、火力発電所など石油に関する主要な産業が集約されており、案ではCO2や排ガス、水素のパイプラインなどインフラを整備。CO2を多く排出する製油所や石炭火力発電所から、CO2由来原料の利用が考えられる企業までを付加価値でつなげ、CCUS産業の集積地として利益環境を創出する。コスト面など課題も指摘されたが案はおおむね賛同され、22年度に事業主体などの議論を深める。
会議で岩倉博文市長は昨年8月に行った「ゼロカーボンシティ」宣言を踏まえ「今生きているわれわれが、何ができるのか大変重要な取り組み」と強調。NEDOの布川信環境部主任研究員はカーボンリサイクルに対する苫小牧の意識の高さを歓迎し、「主役は皆さん。さまざまな意見、活動をいかに組み合わせるかが重要だ」と訴えた。
















