むかわ町経済恐竜ワールド戦略室の太田晶さん(30)と恐竜化石で町おこしを進めている町民グループ「むかわ町恐竜ワールドセンター」の栗原健一代表(40)がこのほど、岩手県久慈市で開催された化石を生かしたまちづくりの講演会に参加した。講演を通じてむかわ町の恐竜化石を生かしたまちづくりをPRしたほか、同市の取り組みについて情報を得、今後のまちづくりにつながる貴重な手掛かりを持ち帰った。
同市は、恐竜と同じ地層から産出される国内最大の琥珀(こはく)産地として知られるほか、ティラノサウルス類やワニの歯化石が見つかっている「太古ロマンのまち」。総合計画後期基本計画に「琥珀と恐竜の太古ロマンのまちづくり推進」を定めており、地域資源である「琥珀と恐竜」を活用した地元愛の醸成や経済活動への波及に取り組んでいる。
むかわ町とは恐竜化石を生かしたまちづくりを進める「にっぽん恐竜協議会」に加盟していることがきっかけとなり、21日に開かれた講演会での交流が実現した。この中で太田さんは、むかわ町で行う恐竜ワールド構想の推進について講話し、講演会や出前授業を通じた町民の機運醸成、地域商社の起業、化石発掘体験ツアーなどこれまで行ってきた取り組みを取り上げて伝えた。
栗原代表は民間で作る同センターの組織や活動のほか、自身が行っている化石採取の様子などを紹介した動画投稿サイト「ユーチューブ」について話した。この中で「少しずつ自分の町の可能性を感じてきた」と言い、「久慈市でもむかわの化石はうらやましがられていたし、(むかわに)来たいという声もあった。(化石という資源を持つ)強みに関して自信になった」と手応えを挙げた。
2人は現地の久慈琥珀博物館やテレビドラマで脚光を浴びた名所などを視察した。太田さんは「琥珀を軸にした取り組みが進んでおり、民間ならではのフットワークや博物館の敷地内に学びや採掘体験ができる工房、買い物ができる場所やレストランなど観光に必要なものが一通りそろっている」と刺激を受けた様子。栗原代表も同市の取り組みから「むかわでも、胆振全体での連携やまだまだ発信できる可能性があると感じた。いろいろなまちと関わることで、恐竜を盛り上げることができるのでは」と展望を語った。
◆にっぽん恐竜協議会
恐竜化石産出自治体の包括的な連携により、人的・知的財産や特色ある資源の活用を図ろうと、むかわ町のほか、兵庫県丹波市、篠山市、熊本県御船町の4自治体で2018年に発足した。その後、岩手県久慈市、群馬県神流(かんな)町、福井県勝山市、徳島県勝浦町も加わった全国8自治体で構成。地域づくり、教育・文化の振興、研究、観光、地域交流、災害応援など多様な分野で相互に協力し、活力ある地域の形成、発展に寄与することを目的としている。現在、むかわ町の竹中喜之町長が会長を務める。

















