「おとむらい牧師隊」 生活困窮者に無料で 弔いの祈りささげる 錦西町の牧師桐生さん

「おとむらい牧師隊」 生活困窮者に無料で 弔いの祈りささげる 錦西町の牧師桐生さん
生活困窮者を無料で弔う活動に乗り出した桐生さん

 苫小牧市錦西町の牧師桐生信さん(74)は昨年秋、経済的な理由から通夜や告別式などの儀式を行わない人の元に無料で赴き、弔いの祈りをささげる奉仕活動に乗り出した。福岡県に本部を置くNPO法人「おとむらい牧師隊」の一員としての取り組みで、桐生さんは「生前からの相談にも対応したい」と話す。

 経済的な困窮から告別式などを行わずに火葬だけする、いわゆる「直葬」を選ばざるを得ない人が対象。直葬を行う火葬場などに桐生さんが出向き、聖歌の歌唱や聖書の朗読、小講話、祈りなどで亡くなった人を弔う。所要時間は10~15分程度。故人を悼み、その人生に思いをはせながら、心温まる最期の時間を過ごしてもらいたいと、故人や遺族の思いに寄り添ったセレモニーを提供する考えだ。

 桐生さんは主に、結婚式場で挙式の司会進行を務める司式牧師として活動。その傍ら、子どもや高齢者、外国人などを支えるボランティア活動にもいそしみ、さまざまな人と交流してきた。

 昨年、知人を介して同法人の取り組みを知り、「自分も何か助けになれるのでは」と協力することに。昨年10月ごろ、札幌の牧師と共に胆振、日高、空知など道央地域を担当する道央支部を発足させ、生活困窮者の支援を担当する行政の福祉部門への周知などを進めてきたという。

 同法人の石村修善代表によると、2016年に活動を始めた福岡県那珂川市内では毎月1、2件の依頼を受けているという。依頼者の大多数がキリスト教信者ではないが、石村代表は「牧師の存在が、死別の悲しみや故人とのわだかまり、さらには満足な葬式をしてあげられなかった―という後ろめたい感情を癒やすのを目の当たりにしてきた」と話す。

 生活困窮者の中には身寄りのない人や、家族と疎遠になっている人もいることから、桐生さんは「自分が死んだらどうなるのか、と孤独の中で不安に思っている人からの相談も受けたい」と意欲を語る。依頼はまだ寄せられていないが、「いろいろな立場で困りごとを抱えている人が市内にもいるはず。ぜひ気軽に相談してもらい、最期の時を希望の中で過ごせるようなお手伝いをさせてほしい」と呼び掛ける。

 問い合わせは桐生さん 携帯電話080(6080)6475(午前9時~午後6時)。

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