滑走路の雪氷観測を開始 HAPとJAXAが実証試験 センサーで雪の厚さ種類を特定

新千歳空港に埋設した雪氷モニタリングセンサー

 道内7空港を管理・運営する北海道エアポート(千歳市、HAP)と、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(東京、JAXA)は14日、滑走路の雪氷モニタリング実証試験を本格的にスタートした。雪氷モニタリングセンサーを同日、新千歳空港の滑走路付近に埋設し、21日まで積雪の観測やデータ収集などを予定。2022年度も実証試験を展開し、25年度の空港運用開始を目指す。

 昨年11月に両者で締結した連携協定に基づく取り組み。JAXAは滑走路にセンサーを埋め込み、凍結などの雪氷状況をリアルタイムで検知する、世界初とされる技術を開発。滑走路の安全性向上をはじめ除雪判断の効率化や時間短縮、運航の遅延や欠航の減少につなげる狙い。20、21年度に福井空港で実施した実証試験の場を新千歳に移した。

 雪氷モニタリングセンサーは円柱型で直径約24センチ、高さ約50センチの埋設型。地中から波長が異なる数種類のレーザー光を地表の雪氷に当て、散乱する光の状態を計測し、あらかじめ登録している雪氷データと照合して雪の厚さや種類などを特定する。これまで滑走路の路面状況は人力で時間をかけて確認していたが、同センサーは自動、リアルタイムで、室内にいながら把握できる。

 7日にセンサーを福井から新千歳に運び、実証試験の準備を進めてきた。14日にターミナルビルから苫小牧側約200メートルの駐機場脇に埋設し、21日まで実証試験を展開。凍った路面の上にさらっと雪が降るなど、「複層積雪」の観測とデータからの突き止め精度向上を目指すという。その後はセンサーをいったん撤去し、今年12月から来年2月まで改めて実証試験を予定している。

 JAXA航空技術部門の守田克彰主任研究開発員は「実証試験を通して問題点を確認し、複層積雪同定を高性能化したい」と意欲。人の手では雪の厚みや種類などの計測、判別にばらつきがあったが、センサーではそれもなくなるという。運用実現にはコスト低減も鍵で「できる限り小型化を目指す」と話す。HAP総合企画本部の西稔宏技術課長は「両者の知見を組み合わせ、空港イノベーション(技術革新)を創出できれば」と話していた。

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