再び、世界女王に挑む―カーリング日本女子が準決勝進出

再び、世界女王に挑む―カーリング日本女子が準決勝進出
カーリング女子1次リーグ最終戦でスイスに敗れ、抱き合うロコ・ソラーレ=17日、北京(時事)

 カーリングは17日、女子1次リーグ最終戦が行われ、ロコ・ソラーレの日本はスイスに4―8で敗れたが、5勝4敗の4位で2大会連続の準決勝進出を決めた。英国、カナダと勝敗、当該間の成績で並び、ドローショットチャレンジの結果で英国とともに4強入りした。

 日本は18日夜に再びぶつかるスイスに勝てば、前回平昌五輪の銅メダルを上回る過去最高の銀以上が確定する。

 日本はショットのミスで後手に回り、4―5で迎えた第9エンドで3失点。最終第10エンド途中で負けを認める「コンシード」を宣言した。

 男子は準決勝が行われ、英国とスウェーデンが19日の決勝に進んだ。英国は連覇を狙った米国を8―4で破り、スウェーデンはカナダに5―3で勝った。

― 悔し涙、のち喜びの涙
 後悔の涙は、乾き切る前に喜びの涙に変わった。1次リーグ最終戦に敗れたロコ・ソラーレだったが、スウェーデンが韓国に勝ったことで準決勝に滑り込み、「今世紀最大のサプライズ」。セカンド鈴木の明るい声が響いた。

 世界女王スイスとの一戦は劣勢が続いた。スキップの藤沢は有利な後攻だった第4、5エンドで精彩を欠き失点。第7エンドでようやく2点ショットが決まった際には思わず涙を流し、試合後にも「何で五輪の大事な試合でこんな負け方をしてしまったのだろう」と悔し泣き。準決勝に進めるとは思ってもいなかった。

 4年前も最終戦でスイスに敗れたが、くしくもスウェーデンが勝ったことで4強入り。鈴木が「デジャブ(既視感)だけど、個人的には4年前より楽しめている」と話せば、リードの吉田夕も「棚ぼた準決勝なので、やることをやるだけ」。これで肩の力は抜けたようだ。

 「神様、いやスウェーデンが与えてくれたいいチャンスなので、自分たちらしく臨みたい」と、最後は笑顔で話した藤沢。気持ちを切り替え、準決勝でもう一度、スイスに挑む。

―決勝懸け大一番 リンドコーチ「我慢が大事」
 カーリングは18日、女子の準決勝が行われ、ロコ・ソラーレの日本はスイスと対戦する。17日の1次リーグ最終戦で対戦し、4―8で敗れた相手に再びぶつかる。勝てば日本初の銀メダル以上が確定する。

 スイスは2019年、21年と世界選手権を連覇している強豪(20年は新型コロナウイルス禍で中止)。国際大会でテレビ解説の経験が豊富なリザーブの石崎琴美選手は「とにかくショットが安定し、試合運びもうまい」と評する。戦術面を担当する日本のジェームスダグラス・リンドコーチは、17日の試合ではスイスが「かなり守備的で、堅実だった」と分析した。

 そんな相手を打ち破るには、何がカギになるのか。同コーチは日本の強みはバランス型であることだと言い、「どんな状況にも対応できる戦略をたくさん練ってきた」と自負。「我慢して、大きなミスをせず、チャンスを与えないことが大事」と指摘した。

 そのためにも、ショット成功率が75%と振るわなかったスキップ藤沢五月選手の復調が待たれる。序盤でリードを許すと、より厳しいショットが求められて苦しくなる。セカンドの鈴木夕湖選手は「これだけ良くなかったので、次は潔くいきたい」。世界女王に一泡吹かせるため、気持ちの切り替えも大切になる。

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