苫小牧日翔病院(苫小牧市矢代町)は22日、新型コロナウイルス感染症のクラスター(感染者集団)が収束したとして、24日から通常通り診療を再開することを決めた。2日に患者の感染を確認して以降、患者37人、職員15人の計52人に感染が広がったが、20日間で院内の感染拡大を抑え込んだ。同院は「改めて気を引き締めて感染防止対策に取り組む」と強調している。
同院はコロナ感染症病床を開設する重点医療機関。クラスター発生に伴い、コロナ病床を一般病棟4棟(168床)のうち2棟に拡大し、院内で感染した患者を収容してきた。コロナ病床は24日以降、通常時の1病棟12床(うち6床は疑似症病床)に戻す。停止していた新規入院や救急の受け入れ、手術や各種検査、外来の対面診療なども同日午前9時に再開する。
同院によると、2日にコロナ病床とは別の病棟で、患者1人の感染を確認して以降、接触した可能性がある患者、職員の検査を連日、院内で繰り返した。一度陰性になっても後に陽性になる場合もあり、入院患者37人に感染が広がり、同院は「オミクロン株の感染力の強さを感じた」と振り返る。職員は同居する家族の感染で濃厚接触者となり、検査で陽性が判明したケースも計上するなど、収束の感染に向けて「拡大ゼロ」を追求した。
この間、地域医療の逼迫(ひっぱく)を踏まえ、発熱外来の受け入れは続けたほか、当初からあるゾーニングされたコロナ病床の一部を通常通り運用し、地域医療の崩壊防止とクラスター対応を両立させた。院外患者の受け入れ数を、道がクラスター拡大と誤って公表し、その後訂正したこともあった。同院は「職員の感染が少なかったことで何とかしのげた」と強調する。
同院は「クラスター発生で患者や家族、地域住民の皆さま、さらに医療機関や関係者に心配と迷惑を掛けた」と陳謝しつつ「収束に向けて皆さまに協力いただいた」と感謝。市内では新規感染者数がやや減少傾向だが高い水準に変わりはなく、「基本的な対策を徹底するしかない。改めて気を引き締めていきたい」としている。
















