プロ野球キャンプ 日ハム 貫いたビッグボス流 「真の横一線」で競争促す

プロ野球キャンプ 日ハム 貫いたビッグボス流 「真の横一線」で競争促す
紅白戦で万波(右)にアドバイスする日本ハムの新庄監督=2月6日、沖縄県名護市

 日本ハムの新庄監督は、就任直後からチームをゼロからつくり上げることを強調してきた。2月28日に打ち上げた1カ月間のキャンプでは派手な言動や、独特の指導法で話題を振りまいたが、選手に平等にチャンスを与えて競争を促す姿勢は一切ぶれることはなかった。

 序盤は1軍と2軍を交互に視察。1軍の試合には頻繁に2軍選手を呼び寄せるなど、入れ替えも終盤まで行った。生え抜きで11年目の近藤は、若手がレギュラーを奪おうと必死になる姿を見て刺激を受けた。「ここ数年はこんなに緊張感のあるキャンプはあまり送っていない。今思えば、少しマンネリ化していた部分もあった」。監督の仕掛けは、主力の危機感をあおることにも成功した。

 試合で本来とは違う守備位置に就かせるなど、選手の新たな能力も探った。自身がプロで初めて定位置をつかんだのが本職の外野ではなく、内野だった経験に基づいている。チャンスはどこにでもあることを伝えた。

 2月27日の広島とのオープン戦では、1軍経験の乏しい21歳の田宮に4番を任せた。打撃センスのある捕手で、監督は「ああいう場所で打たせて、結果がぽんぽんって出たら、違うポジションで出してみようとなる」。実績などにはこだわらず、先入観を排除した「真の横一線」を貫いた。

 シーズンに入っても入れ替えは「めちゃくちゃある」と公言する。好調の選手がいても、他の選手を1軍で試すために代えることも予告した。一体感を高める目的もあり、「チームの輪が強くなっていくポイントだと思う。徐々に途中から、きゅーっと固めていくという感じ」。3年連続5位に沈んだチームを任されたビッグボス。改革の根幹はくっきりと見えた。(名護)

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