【北京時事】北京パラリンピック第7日は10日、アルペンスキー男子大回転が行われ、座位は2010年バンクーバー大会銅メダルの鈴木猛史(KYB)が5位に入った。今大会の滑降とスーパー大回転で銅の森井大輝(トヨタ自動車)は8位。
立位は5大会連続出場の小池岳太(JTBコミュニケーションデザイン)が14位、06年トリノ大会銀メダルで48歳の東海将彦(トレンドマイクロ)は31位だった。
―森井、自分のスキーできず
森井大輝 自分のスキーができなかった。雪質とか斜度とか、想定していたものと違った。
―鈴木、修正して好タイム
1本目を滑り終えた時点で、鈴木は1分4秒93の9位と出遅れた。だが、大回転は2本の合計タイムで競う種目。33歳は冷静にチェアスキーを微調整した。
ブレーキが効き過ぎていた1本目よりも、スピードが出るセッティングに。急斜面でもターンを制御できる絶妙な変更で、勢いのある滑りを維持したまま旗門をくぐった。59秒83の好タイム。1分を切ったのは5人だけで、「2本目の滑りを1本目でできたら良かった」。メダルには届かなかったが、手応えはつかんだ。
技術系が強く、2014年ソチ大会では回転で金メダルに輝いた実力者。大会最終日の13日に行われる得意種目に向け、日本チームからは「最後はお前が決めてくれ」とハッパをかけられている。
海外勢はフィジカルの強い若手の台頭が著しいが、41歳の森井が2個の銅メダルを獲得したように、日本選手は技術や用具の完成度で対抗してきた。2本とも納得のいく滑りをそろえれば、鈴木にも表彰台のチャンスは十分ある。
福島県猪苗代町の出身。東日本大震災から11年の3月11日を前に、「明るいニュースを届けたいと思っていたけど、それがかなわず残念」。故郷への思いをはせつつ、最終日は「大回転で楽しめなかった分、回転は楽しめるよう心掛けたい」と自然体で挑むつもりだ。




















