三浦綾子記念文学館(旭川市)特別研究員、森下辰衛さん(59)の文学講演会が17日、苫小牧市豊川町の糸井福音キリスト教会で開かれた。市民約10人が、第一短編集「病めるときも」にある作品「奈落の声」について解説に聞き入った。
「奈落の声」の主人公は、貧しい旅芸人一座の子役、清志。不遇の教え子に担任の女性教師は親身に世話を焼く。清志は彼女のためにシャツを買おうとするが、そこで思わぬ事件が起きる。
森下さんは、清志の父親と女性教師との論争について「争いに一生懸命になり過ぎると大切なものを見失う。2人は互いの正しさを主張するあまり、清志には何も聞かず、どちらが悪者かを押し付け合った」と述べた。さらに「絶望の先に清志の本当の叫び、求めがあり、結末部の文章表現で何かが始まる予感をほのめかしている」と語っていた。
















