ひたむきに粘り強く 若隆景初V 念願果たす 大相撲春場所

ひたむきに粘り強く 若隆景初V 念願果たす 大相撲春場所

 27日の大相撲春場所千秋楽で、新関脇の若隆景が元大関の高安との優勝決定戦を制し、初優勝を遂げた。130キロの軽量ながら、筋骨隆々で、粘り強い足腰が特長。「一日一番、相撲を取れた結果がつながった」。低い姿勢でしぶとく戦い、白星を積み重ねた。

 福島市出身の27歳。長兄に幕下の若隆元、次兄に幕内の若元春を持つ。父も元幕下力士で、祖父は元小結若葉山という相撲一家の念願を初賜杯獲得で果たした。

 新関脇の優勝は、大横綱となった双葉山以来86年ぶり。その双葉山は祖父の師匠でもあり、「喜んでくれていると思う」。口数は多くなく、相撲ぶりからも昔かたぎの印象がある若隆景も、奇縁に普段のポーカーフェースが和らいだ。

 東日本大震災で被災した故郷への思いも力になっている。春場所4日目の16日夜に福島県沖で発生した強い地震で11年前を思い出したというが、「自分ができることは土俵で活躍すること。そういう姿を届けたい」。ひたむきに、実直に務め、最高の結果で報いた。

 大関挑戦への第一歩を踏み出した。「今場所だけ良くてもしょうがない。続けられるように稽古をしたい」。手応えを感じてきた立ち合いの当たりなどをさらに磨く覚悟だ。

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