「追分クリニック」引き継ぎ式 安全安心を町民に 1日から「あびら追分クリニック」に 安平

「追分クリニック」引き継ぎ式 安全安心を町民に 1日から「あびら追分クリニック」に  安平
追分クリニックの引き継ぎが行われた式典

 安平町追分本町の民間医療機関「追分クリニック」(旧追分菊池病院)の経営が4月1日から、苫小牧東病院を運営する「社会医療法人平成醫塾」に変わること受けて28日、町役場総合庁舎で引き継ぎ式が行われた。4月1日から「あびら追分クリニック」に改称して新たにスタートを切る。

 同クリニックは、1945年に安平村国民健康保険組合追分診療所として開設。その後、89年6月に追分菊池病院の名称となり、内科、小児科、リハビリテーション、整形外科などを持つ追分地区唯一の医療機関として長きにわたって地域住民らに利用されてきた。

 しかし、医師の高齢化や新型コロナウイルス感染拡大などによる来院患者数の減少が重なり、経営が悪化。昨年9月末で入院機能や休日・夜間診療、救急患者の受け入れなどを中止し、10月から追分クリニックとして運営していた。その一方で、医療法人同和会の菊池晃理事長が一昨年の秋ごろからメインバンクの北海道銀行や町を介して、後継者を探していたところ、平成醫塾が快諾した。

 平成醫塾や町によると、同クリニックが持つ現状の機能に加え、月3日だった小児科を週2日、新たに泌尿器科を月3日ほど設ける予定。今秋をめどに健康状態を即座に把握できる電子カルテを導入するほか、苫小牧東病院と町内をつなぐ医療連絡バスも1日4往復させる考えで、状況に応じて入院が必要な患者を同病院に移送して診ることも可能になるという。

 平成醫塾の橋本洋一理事長は多発する自然災害や感染症、疾病疾患の現状に触れながら、「医療の安全安心を町民に提供できるよう全力で取り組んでいく」とあいさつ。菊池理事長もスタッフとして引き続き医療の現場に携わり、「体力が続く限り協力していきたい」と思いを語った。

 引き継ぎ式に同席した及川秀一郎町長は「安平町の地域医療を守っていくことに手を貸していただき感謝している。町としてもできる限りの支援をしていきたい」と話していた。

■追分クリニックのあゆみ

1945年    安平村国民健康保険組合追分診療所開設

 47年     追分保健医院に名称変更

 53年     医療法人同和会設立、追分保健医院継承

 70年     医療法人同和会追分保健病院に組織変更

 89年 6月  医療法人同和会追分菊池病院に名称変更

 89年12月  現本館を新築

 99年12月  新館(介護療養型病棟)を増築、現在に至る

2021年10月 追分クリニックに名称変更

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