してみた

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 4月から、65歳の年金受給開始年齢を75歳まで先延ばしできるようになる。受け取り開始を1カ月遅らせるごとに、受給月額は0・7%増えていく。

 計算してみた。受給開始年齢を65歳から70歳にすると、受給額は月額42%増える。仮に受給年金月額を6万4900円とすると、約2万7000円増えて9万2000円ほどになる。ただ、受け取り開始が遅いので、年金総額が65歳から受給した場合より上回るのは81歳。お得になるのはここからだ。

 そこで考えてみた。自力で健康に暮らせる期間を示す健康寿命は男性72歳、女性75歳。平均寿命は男性81歳、女性87歳(2019年度)。このデータに、年金受給開始年齢を70歳に延ばした男性を当てはめると、月々数万円増えた年金を受給し始めて3年後、何らかの人の手を借りて暮らすようになる。そんな生活を約9年続け、繰り下げメリットを享受できる81歳になると寿命は尽きる。

 厚生労働省年金局の2019年度調査では、国民年金の繰り上げ受給者は12・3%。一方、繰り下げ受給者は1・5%だった。65歳以降も健康で、介護する家族などがいても働けると思える人は結構限られているのでは。人生100年と言っても健康度や家族の状況は個々で違う。年金受給年齢開始年齢の先延ばしは家計を助けてくれるが、豊かさの意味が多様なこの時代、利点がそれだけでは、あまり関心を持たれないかも。(林)

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