苫小牧の柔道クラブ、尚志館當摩道場が、3月に千歳市開基記念総合武道館で行われた第44回北海道少年柔道優勝大会中学生団体の部で5年ぶりの準優勝に輝いた。5人一組の一戦に河西槻和(啓明3年)、阿部優人(ウトナイ3年)、藤野遥士(登別緑陽3年)、前川慶心(明野2年)の4人で挑み、並み居る強豪に競り勝った。
北海道柔道連盟などが主催した大会の同部には、道内の各道場で編成された17チームが出場。先鋒(せんぽう)、次鋒、中堅、副将、大将の5戦で勝利数または内容で優勢だったチームが勝ち上がるトーナメント方式で行われた。
4人構成の尚志館は、毎回先鋒戦が不戦敗になる状態で試合に臨んだ。1回戦の北見なかざわ道場に3―2、2回戦の琴似武道館Aに2―1、3回戦の札大ジュニアJUDOクラブに2―1と競り勝った。
厚別区体育館柔道クラブとの準決勝は次鋒の前川、中堅の藤野が勝利し2―1と逆転。相手の副将以降には90キロを超える選手が待ち構えていたが、63キロの副将阿部と70キロの大将河西が引き分けに持ち込んだ。体重が5キロ違うだけで勝敗に大きく影響する。河西は「怖さは少しあったけど、距離を取るなど対策をしっかりやれば大丈夫と思っていた」と振り返る。
決勝は直心館に1―2で惜敗も「1勝のビハインドを感じさせない、堂々とした試合をしてくれた」と水見秀紀代表は健闘をたたえる。準決勝までの4試合で勝ち星を挙げた前川は「先輩たちのおかげで気持ちを楽にして試合ができた」と笑みをこぼした。
重量級や試合巧者の選手がそろい、苫小牧勢初となる準優勝をつかんだ2017年大会メンバーとは一味違う頼もしさがあった。日々の練習で行う乱取りと呼ばれる実戦形式の稽古では「4人が本気になってものすごい勝負をする。これなら大会でもいい結果が出せると思っていた」と水見代表は目を細める。
柔道から一歩離れれば仲のいい友人同士。河西は「友達だからこそ本気でぶつかり合える。練習でも投げられたり、負けるのは嫌なので」と語った。
今後は6月下旬から始まる個人戦の中学校体育大会に向け、各選手が技量向上に励んでいく。河西は「筋力強化や決め技を増やしたい」。前川は「階級が一つ上がる。まずは胆振大会でしっかり勝って、全道出場を決めたい」と意気込んでいた。

















