政府が国内の製粉業者に売り渡す輸入小麦の価格が今月から17・3%引き上げられ、苫小牧市内のホテルや飲食店からも悲鳴が上がっている。干ばつによる北米産の不作などで穀物相場が高止まりしていることが主因だが、ロシアのウクライナ侵攻でさらなる高騰も懸念され、消費者からもため息が聞かれる。
市内表町のグランドホテルニュー王子はパンやケーキ、ラーメンなどの製造に当たり、小麦粉の仕入れ値がこれまでより10%程度上がるという。鈴木靖調理部長は「小麦粉だけでなく、油、ズワイガニ、輸送コストなど全体的に仕入れ値が上がってきている」と説明する。
今後、商品によっては小売価格の値上げを検討せざるを得ないといい、米粉など仕入れ価格を抑えられる食材を探すなど対策に努めている。鈴木調理部長は「ロシアもウクライナも小麦の生産地で、仕入れ値はさらに上がりそうだ」と気をもむ。
市内外でラーメン店や日本料理店計10店を経営するたいしょうグループ(双葉町)は先月、取引業者から小麦の価格引き上げを伝えられた。牧雄二郎社長は「コロナ禍で外に出ない人が多い中、今までにない値上げ幅で苦しい」と胸中を明かす。当面は小売価格を据え置くが、「小麦以外も上がっており、下がるものはない。いずれ値上げは避けられない」という。
消費者にとっても家計の出費増は痛い。市内川沿町のパート従業員、平田美知子さん(73)は「小麦のほかにも油や野菜の値段が上がっている。ランチを食べた店も値上がりしていた」と困惑する。
農林水産省によると、輸入小麦の売り渡し価格は1トン当たり7万2530円。現在の算定方式となった2007年以降では、08年10月の7万6030円に次ぐ過去2番目の高値水準。今回の改定により、食パンが1斤当たり2・6円(1・5%)、家庭用薄力粉は1キロ当たり12・1円(4・4%)値上がりすると試算している。
















