労組票分散、異例の選挙戦へ 国民が臼木氏を擁立 参院選道選挙区

労組票分散、異例の選挙戦へ 国民が臼木氏を擁立 参院選道選挙区
国民民主党道連が擁立を決め、記者団の取材に応える臼木氏=9日、札幌市中央区の北海道通信ビル

 国民民主党道連は9日、札幌市内で役員会を開き、6月22日公示、7月10日投開票が有力視される参院選の道選挙区(改選数3)に元衆院議員秘書の臼木秀剛氏(41)を擁立することを決めた。13日に党本部から公認される見通し。既に立憲民主党が2人の擁立を決めており、これにより旧民進党勢力からの候補予定者は計3人に。支持母体の労組票が分散する異例の選挙戦になる。

 臼木氏は兵庫県姫路市出身で新潟大大学院修了。2011年から今年3月まで立憲民主党などの衆院議員秘書を務め、国民民主党の候補者公募に応募していた。役員会終了後、記者団の取材に「日本の政治は何十年前の価値観から微調整で進められており、社会の現状からズレている」と批判。「国民民主党は現実世界に合った政策を行っており、候補に応募した」と述べた。

 臼木氏の出馬で難しい対応を迫られるのが立憲民主党。現職の徳永エリ氏(60)と新人の石川知裕氏(48)の擁立を決めているが、最大の支持母体の連合北海道の推薦枠は「立憲1、国民1」。連合は既に徳永氏の推薦を機関決定しており、もう1枠は国民の臼木氏になることが確実に。官公労など旧総評系が徳永氏を、大手民間労組など旧同盟系が臼木氏を支持する公算が大きい。

 立憲では石川氏の処遇について「立憲推薦で無所属から出馬」の形を取り、国民民主との選挙協力を模索したが、交渉は不調に。このため石川氏は近く会見し、「立憲公認」での出馬を発表する見通しだが、支持母体の連合の推薦枠から外れ、厳しい選挙戦を強いられる。

 道選挙区は、前々回(16年7月)から改選数が1増の3人区となり、それまでの「自民1議席、非自民1議席」の指定席選挙から一転し激戦区に。前々回は旧民進が2議席獲得し、自民は1議席、前回(19年7月)は自民が2議席奪還し、立憲が1議席。いずれも自民、旧民進勢力とも2人ずつ擁立し、議席を争ってきた。だが、今回は旧民進勢力が3人に分かれ、その構図が崩れた格好だ。

 一方、自民党は現職の長谷川岳氏(50)と新人の船橋利実氏(61)の2人を擁立。知名度が突出する長谷川氏に対し、船橋氏に組織票を厚く配分する戦略を描くが、思惑通りに進むかは不透明だ。旧民進勢力の票が三つに分散したことについては「われわれとしては、とても助かる」(道連幹部)との本音も漏れる。

 道選挙区にはこの他、共産党が新人の畠山和也氏(50)、NHK党が新人の斉藤忠行氏(30)、幸福実現党が新人の森山佳則氏(55)、新党くにもりが新人の沢田英一氏(69)の擁立を発表済み。さらに日本維新の会も独自候補を擁立するほか、諸派の1人が出馬予定。最終的には11人前後が出馬する乱立選挙になる見通しだ。

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