穏やかな風が吹いた昨日の札幌。気温も上昇して23度を超え、まるで初夏のような陽気になった。通勤途中に見上げると木々も薄くピンク色に染まり始め、開花目前。間もなくサクラの季節を迎える。
道政が16年ぶりに交代した3年前の春を思い浮かべている。道政史上最長の4期、知事を務めた高橋はるみ氏(当時65歳)が「発展の礎を築けた」と退庁。翌日に初登庁したのが、当時38歳で全国最年少だった鈴木直道知事。「前例にとらわれず、私が先頭に立ち、北海道新時代の創造を目指したい」。27歳若返った道政を船出させた。
自民、公明、新党大地の推薦で与野党一騎打ちの初陣の知事選を制した鈴木氏。162万票を超える圧勝劇だった。ただ、前哨戦となった自民党内の候補選考レースは過酷だった。官僚候補を推す一部国会議員、道議、自治体首長、経済界の勢力が強まり、党内は混迷を極めた。そこで鈴木氏が打った一手は、政党の推薦なしでの出馬会見。それに公明が自民に先行して推薦決定するという異例の裏技で決着した経緯がある。その確執はIR(統合型リゾート施設)誘致など意見が二分する政策に常に影響し、党内に今も残る。
就任初年度から新型コロナウイルスに追われ、思い描いた政策を強く打ち出せずにいる知事。1期目のラストスパートも、コロナの影が付きまとう。国政転出へのうわさは消えないが、2選出馬は既定路線。初登庁からあすで丸3年を迎える。(広)









