高齢者の通院サポート 移送ボランティア開始 今年度は勇払、樽前地区で 苫小牧市社協

高齢者の通院サポート 移送ボランティア開始 今年度は勇払、樽前地区で 苫小牧市社協
安全運転講習を受けるボランティア

 苫小牧市社会福祉協議会は今年度、市内勇払、樽前地区で高齢者の通院を支援する移送ボランティア事業をスタートさせた。身体的、経済的理由で公共交通機関の利用が困難な高齢者を、ボランティアが車で送迎する事業。昨年2月から約1年間、勇払地区で試行しニーズの把握やボランティアの確保、スムーズな運用方法の検討などを進めた。担当者は「市民主体のボランティア活動として、地域に根付かせたい」と意気込む。

 移送サービスは、市社協の安全運転講習会を受けた市民ボランティアが担う。ネッツトヨタ苫小牧とトヨタカローラ苫小牧の協力で、両社の試乗車や代車を無償で使うことができ、車両保険や燃料費なども両社が負担する。

 サービスの対象は両地区在住で、公共交通機関の利用が難しく年金などの収入が年額160万円(夫婦の場合は220万円)程度の65歳以上の高齢者や、介護保険制度で乗降介護の支援を受けることができない人など。利用無料だが、事前登録や予約を求める。

 移送範囲は、勇払地区が勤医協苫小牧や苫小牧日翔病院、樽前地区は市立病院や同樹会苫小牧病院までを目安とする。利用回数は月2回まで。

 同事業は市社協が2018年度から年3回、勇払地区で開いた住民との座談会がきっかけ。高齢のため自動車の運転免許を返納したが、バスやJRの減便、日本製紙北海道工場勇払診療所閉鎖で通院が不便になったという住民の声が相次いだことだ。足腰が弱くなりバスの乗降がきつかったり、タクシー利用の経済的負担に苦しんだりしている人が少なくないことも分かった。

 そこで、市社協が提案したのが住民主体のボランティアによる医療機関移送サービス。事業の骨子を作り、昨年2月から同地区で試行した結果、27人が利用登録した。運転ボランティアは10人、車両の稼働日数は昨年4月から今年3月までで133日で、延べ179人が利用した。

 おおむねスムーズに事業を運用できたため、同様の交通事情を抱え、サポートを必要とする住民が多い樽前地区を加え、本格スタートに踏み切った。

 市社協は今後、両地区で事業展開をしながら、他地域のニーズ把握などを継続。他都市の事例なども参考に、事業の充実を模索していく。

 市社協地域福祉課の千寺丸洋課長は「少子高齢化の進展で、今後ますます通院に不便を感じる人が増える」と指摘。「みんなで支え合う仕組みの構築や少しの工夫で、安心して暮らし続けられる地域づくりを実現させたい」と話す。問い合わせは市社協 電話0144(32)7111。

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