松野官房長官がウポポイ視察 アイヌ文化振興へ政策推進

松野官房長官がウポポイ視察 アイヌ文化振興へ政策推進
国立アイヌ民族博物館を視察する松野官房長官(左から2人目)

 政府のアイヌ政策推進本部長を務める松野博一官房長官は8日、白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)を視察した。官房長官に就任後、初めて訪れ、アイヌ文化の復興と発信の取り組みを見て回った。

 松野官房長官はまず、北海道アイヌ協会の大川勝理事長ら関係者の案内で慰霊施設を訪問。国内の大学に研究目的などで保管されていたアイヌ民族の遺骨を集め、納めた施設について説明を受けた。

 その後、国立アイヌ民族博物館へ移動。伝統の文様を施した生活道具や祭具などを見学し、アイヌ民族の文化や歴史に触れた。引き続き、文化復興に取り組む関係者と懇談。ウポポイの今後の運営や文化伝承の在り方について意見を交わし、支援の要望を受けた。

 松野官房長官は視察後、報道陣の取材に応じ「アイヌの皆さまが経験してきた苦労や、受け継がれた文化について改めて知ることができた」と述べた。また、「アイヌ民族の名誉と尊厳を保持し、次世代に継承することは多様な価値観が共生する社会を築くために重要」とし、文化の振興や民族の歴史などに関する普及啓発、アイヌ政策推進交付金を活用した地域・産業振興などさまざまな政策を推進する考えを示した。

 アイヌ民族への差別解消を図る上で、民族の苦難の歴史を正しく伝える展示物の充実を求める声が出ていることについて、「博物館に設置している展示検討ワーキング会議の委員会の意見も踏まえ、現在の展示の改善に取り組んでいく」とした。さらに、アイヌ施策推進法には差別の禁止に関する規定を設けているとし「いわれのない差別を受けない社会、全ての国民が相互に人格と個性を尊重し合う共生社会の実現に向けて教育、広報、ウポポイ運営などを通じて国民理解を深めるよう努めていきたい」と述べた。

 岸田政権下において一度も開かれていないアイヌ政策推進会議に関しては「諸般の情勢を踏まえつつできるだけ早期の開催に向けて速やかに調整に入りたい」とした。

 年間100万人来場の目標を掲げるウポポイへの誘客については「引き続き感染症対策を講じながら、掲げた目標に近づけるようコンテンツの充実、誘客促進の広報活動など今できることを一つ一つしっかりと進めたい」と述べた。

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