新型コロナウイルスワクチンの5~11歳の子どもへの接種が苫小牧市内で本格化してから、1カ月が経過した。未就学児や小学生など低年齢の子どもへの感染が収まらない中、重症化リスクの低さや副反応に対する心配から接種に慎重な保護者も多い。ワクチン接種にまつわる差別や偏見をなくす活動に取り組む市民は「子どもへの接種は迷って当然。正解はないので、どんな選択も尊重し合うようにしたい」と語る。
市内の対象者は9922人。市は3月末に接種券を発送し、4月2日から市内9カ所の医療機関で接種が始まった。今月9日時点で1回目を接種した人は1320人で、接種率は13・3%となっている。
小学生の息子2人を育てる汐見町の女性(36)は、「自分も夫も仕事の関係で接種したけど、子どもは軽症で済む事例が多いので、今の段階では息子たちへの接種の必要性は感じていない」と話す。
有珠の沢町で小学生の子ども4人を育てる女性(34)も「感染した身内や知り合いが、共通してワクチンを接種したばかりだったことに疑問を持ち、子どもには接種させないと決めた」と語る。しかし、1月に夫が濃厚接触者となり、家庭内感染の危機を現実に体験したこともあり、「正直、これが正しい答えなのか分からない」と迷う。
柏木町に住む女性(36)は、ワクチンについて解説したテレビ番組を小学2年の長男(7)と見て話し合った結果、接種しないことを決めた。「軽度で済んだり、予防効果が期待できたりする一方、絶対にかからなくなるものではない。今は接種しないことにした」と話す。北光町在住の女性(37)も長男(11)と何度か話をし、「息子は打ちたいと言うが、健康への影響を考えるとためらってしまう」と明かした。
ウトナイ北の女性(39)は筋ジストロフィーの長男(9)への接種を2回終えた。「持病があるのですぐにでも打たせたいと思っていたが、いざ始まると悩みに悩み、同じ病気の子の親に話を聞いてようやく決断した」と話す。一方、長男との同時接種を考えていた次男(5)については「迷ったあげく、接種は見送った。重症化リスクが高まるなどしたら考えたい」と慎重な姿勢を示した。
市は厚生労働省のリーフレットを独自に改定し、接種券に同封。丁寧に説明することで、冷静に判断できるよう配慮した。ワクチンを接種していない人や体質などで打てない人へのハラスメントなどをなくす「#ワクチョコ運動」を独自に展開する有明町の磯崎文盛さんは「子どもにとって良い方向を、それぞれの家庭で慎重に判断してほしい」と呼び掛ける。
















