自動車部品製造のダイナックス(本社千歳市)がワイン事業に新規参入した。道内の工業系製造業者がワイン生産に乗り出すのは初めてで、安平町で原料のブドウ栽培に本格着手した。2025年にはワイナリー(ワイン醸造所)の開設を目指しており、胆振東部地震で被災した町の活性化につなげたい考え。ワインを安平の特産品にするため、19日には町と包括協定を結んだ。
同社は、ガソリン自動車に不可欠なクラッチ板を製造する大手部品メーカー。世界的に電気自動車の開発が進み、部品業界にも変革の波が押し寄せる中、同社は従来の業態に加えた新事業を模索。北海道の主要産業・農業に着目し、ワイン製造に新規参入する方針を決めた。生産場所は、本社を置く千歳市や部品製造工場のある苫小牧市に近い安平町にした。
昨年は町追分地区の畑でワイン用のブドウ8品種110本を試験栽培。その結果、ブドウ栽培に必要な気温と日照時間を確保できるほか、木を越冬させるための積雪量も十分にあることを確認した。今年は2ヘクタールの畑に「シャルドネ」「ピノ・ノワール」「ケルナー」など15品種の苗木約3000本を植え、さらに来年度は1万本、24年度には1万5000本と規模を拡大していく方針。ワイナリーの建設地については、町と協議し、複数の候補地の中から選定するという。
包括協定には、同社がワイン事業を震災復興や地方創生につなげ、町は特産品としてPRすることを盛り込んだ。追分公民館で締結式を行い、伊藤和弘社長と及川秀一郎町長が協定書に署名した。その後、追分地区の畑で苗木の記念植樹を行った。
伊藤社長は「まったく業種が異なることへのチャレンジ。安平の地でワインをブランド化させ、価値を高めていきたい」と意欲を見せた。町は産業・経済の振興をはじめ、地元特産品のチーズとワインを掛け合わせた食文化を創出し、安平の新たなファンの獲得を目指しており、及川町長は「さまざまな相乗効果が地域に生まれ、安平町ブランドが世界にとどろくことを期待したい」と話した。



















