傷病受け入れ過去最少 21年度のウトナイ湖野生鳥獣保護センター 野鳥中心に46個体 誤認減少が背景

傷病受け入れ過去最少 21年度のウトナイ湖野生鳥獣保護センター
野鳥中心に46個体 誤認減少が背景
道路で倒れているところを保護され、リハビリ中のオオコノハズク

 苫小牧市植苗のウトナイ湖野生鳥獣保護センターによると、2021年度に保護した傷病鳥獣の数は野鳥を中心に46個体で、02年の開設以来最少だった前年度より36個体減り、過去最少を更新した。巣立ち直後でうまく飛べないひなを傷病鳥と誤って持ち込むケースが減ったことや、自然治癒力を見込んで保護を控える事例が増えたことなどが理由とみられる。

 同センターが受け入れる傷病鳥獣は原則、苫小牧市内で窓ガラスや車に衝突したなどの人為的な要因が疑われる場合。21年度はスズメ、カルガモなど33種46個体を保護した。開設以降、年間150個体前後で推移していたが、20年度に82個体と初めて100個体を割り込み、21年度は50個体も下回った。

 背景には、巣立ちから間もなく、飛べないひなを巣から落ちたと勘違いして運び込むケースの減少がある。年間20~40羽が運び込まれていたが、20年度は7羽、21年度には4羽となり、大幅に少なくなった。毎年、巣立ちの時期と重なる6~7月にひな鳥に関する電話相談が増え、同センター獣医師の山田智子さん(43)は「近くで親鳥が見ている可能性が高いので、そのままにして離れてほしいと伝えている。一般の方に理解が広がっているように感じる」と話す。

 また、人工物に衝突して動かなくなった鳥が、運び込まれた時点で飛び回れるほどに回復していることもあり、電話で状況を確認した上で、その場でしばらく様子を見てもらう場合もあるという。山田さんは「最近は鳥インフルエンザへの警戒感が強く(鳥に近づかなく)なっていることも要因かもしれない」と推測する。

 持ち込まれた傷病鳥獣は専属の獣医師が治療に当たり、敷地内の大型ケージでは飛行や水辺に浮く練習ができるリハビリ環境も整っている。自然に戻す「復帰率」は一般的な動物病院で1~2割とされるが、同センターは5~6割と高く、21年度も19個体が野生に戻り、復帰率は4割を超えた。

 保護後に死んだ26個体の中には、釣り糸や釣り針で傷ついたオオセグロカモメなどもおり、山田さんは「私たちの意識次第で防止できるケースもある」と指摘。ごみを持ち帰るなどのマナーや野生動物の生態を学ぶセミナーのほか、SNS(インターネット交流サイト)を活用した情報発信を続けていく。

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