高齢者や障害者などが生活上で抱える”ちょっとした困り事”を地域住民が手助けする「だけボラ」の仕組みが、昨年6月にスタートして1年がたつ。ごみ出しだけ、草刈りだけ―など活動内容を限定してボランティアを募る道内でも珍しい取り組みで、これまでの延べ活動日数は112日に上る。既存の福祉サービスでは対応し切れないきめ細かな支援を展開しており、苫小牧市社会福祉協議会は「今年度はさらに多くの人に協力を呼び掛けたい」と話す。
少しの手助けがあれば自宅で暮らし続けられる高齢者や障害者が多い一方で、人間関係の希薄化で周囲から支援を受けられないケースが増えていることから、市社協が「だけボラ」を発案。家の中の片付けやごみ出し、車の雪下ろし、壊れそうな物置の解体、庭木の撤去、灯油を物置から運びホームタンクに給油する―といった多様なニーズに応えてきた。形態も、1日限りのものから定期的な活動までさまざまだ。
ボランティア登録をしているのは約80人。地域活動を担う人だけでなく、「自分にもできることがあれば」と協力を申し出る20~30代の若い世代も目立つ。認知症で自身も依頼する一方、得意な裁縫の腕前を生かしてボランティア活動をする人もいるという。市社協は「みんなで支え合って暮らす地域の実現につながっている」と語る。
さらに、コロナ禍でも地域住民が集まれる場をつくろうと、花壇整備や子ども食堂に寄贈する野菜の栽培など屋外での活動も展開。特に農園ボランティアは活発で、野菜作りが得意な人や地域内で孤立しがちな高齢者など、市社協の働き掛けに多くの人が応えた。
市社協は今年度、農園ボランティアを市内4カ所に拡大し、5グループの活動を計画。このうちの一つ、老人クラブ日吉町明和会(長田昌聰会長)は19日、未来の森公園(北光町)で畑作りを始めた。長田会長は「畑まで行くのが大変でクラブの農園活動をやめたが、ここは近くて通いやすい。子どもたちのため、みんなで力を合わせたい」と意気込んだ。
市社協は「活動内容が限定的なのがこの仕組みの一番の利点」と語り、困り事を抱えている人や、ボランティアに関心を持つ人を掘り起こすため、ふれあいサロンや老人クラブなどに出向いて説明することも考えている。
問い合わせは市社協地域福祉課 電話0144(32)7111。
















