第68回北海道高校剣道選手権大会室蘭支部予選大会の男子個人の部で優勝した苫小牧西高の神谷陸(3年)は、15日から伊達市総合体育館で始まる全道大会に向けて決意を新たにしている。幼少から指導を受けている恩師と迎えた最後の高体連。個人では苫小牧勢で唯一全道大会への進出を決めた神谷は「一戦一戦を大切に戦いたい」と静かに闘志を燃やす。
神谷が剣道を始めたのは幼稚園児のころ。苫小牧市の剣道道場「如水館」で10年以上にわたり竹刀を振り続けてきた。小学6年時には「赤胴大会」で次鋒(じほう)として団体優勝にも貢献した。加茂徹也館長は現在も外部講師として指導を続けている。
昨年秋の新人戦では準優勝で全道大会へ進出。今回こそは優勝を―と臨んだ支部予選は5月18、19の両日に室蘭工業高校で行われた。得意の面を決め、相手の隙を突く剣道で勝ち進んだ。準決勝では低い位置からの攻撃にひるんだものの、無事勝ち抜き決勝へ。延長までもつれた決勝も開始直後の小手で優勝を決めた。「加茂先生から教わったことを忠実にやってきてよかった。『いい小手だった』と言われ、すごくうれしかった」とはにかむ。
現在、苫西の剣道部は部員が3人で、神谷以外の2人は1年生。「全道では相手に応じた剣道をして、後輩たちに頑張っている背中を見せられたら」と力を込めた。加茂館長も「神谷は思い切りのいい面を打ち込める。全道でも丁寧な試合運びで勝ってきてほしい」とエールを送る。

















