参院選道選挙区(改選数3)は、確実視される22日の公示(投開票7月10日予定)まで1週間余りに迫った。自民、立憲民主、共産、国民民主の主要4党と諸派から現職2人、新人10人の計12人が出馬する見込み。改選数が4から2に減少した1995年以降(2016年に改選数2から3に増加)では、最多の乱立選挙になる。既に各陣営とも事実上の選挙戦に突入しており、大票田・札幌を中心に街頭演説や集会を活発化させている。過去2回同様、与野党どちらが3議席目を獲得するかが最大の焦点となる。
◆与党
自民党は3選を目指す現職の長谷川岳氏と、昨秋の衆院選道1区で落選した元衆院議員で新人の船橋利実氏をくら替えさせて擁立。前々回(16年)は1議席にとどまったが、前回(19年)同様2議席獲得を勝敗ラインに掲げる。人気が突出する長谷川氏は全道をほぼ一巡し、道内に張り巡らせた後援会組織をフル回転。手綱を緩めずゴールを目指す構え。長谷川氏に比べ知名度で劣る船橋氏には茂木敏充幹事長、麻生太郎副総裁、河野太郎広報本部長らが応援で続々と来道。党本部が「重点候補」に位置付け、テコ入れに懸命だ。
自民2議席確保のカギを握る公明党は両氏を推薦。2人を支援する濃淡を表す「傾斜配分」については、「自民党道連と協議して進めていく」(公明党道本部)との姿勢を崩しておらず、なお流動的。日本維新の会の鈴木宗男参院議員が代表を務める地域政党「新党大地」は、劣勢の船橋氏を推薦し、側面支援する。
◆野党
立憲民主党は現職で3選を狙う徳永エリ氏と、今期限りで引退する鉢呂吉雄参院議員の後継として元衆院議員で新人の石川知裕氏を擁立。旧民進党が2議席奪取に成功した前々回の再現を目指す。徳永氏は連合北海道の推薦を受け、主に旧総評系の組織力をバックに圏内入りを伺う。一方、連合推薦から外れた石川氏は、「鉢呂後継」を前面に打ち出し保守層にも食い込むほか、敗れたものの鈴木直道知事に善戦した3年前の知事選に出馬した知名度も生かし、参院での初陣勝利を狙う。
今回は立憲の2人のほか、国民民主党も新人の臼木秀剛氏を擁立。「野党票分散」の懸念は消えないが、旧民進党勢力から初めて3人が出馬する異例の選挙戦になる。臼木氏は連合北海道の推薦を受け、主に旧同盟系を支持母体に運動を活発化しており、党の比例票の底上げも目指している。
共産党は前回次点だった元衆院議員で、新人の畠山和也氏を再び擁立。「日本を戦場にさせない平和外交」など政策主導の選挙戦を展開し、1989年の高崎裕子氏以来となる道選挙区での議席奪還を狙う。
◆諸派と少数政党
主要4党以外からも6人の新人が出馬する。NHK党は斉藤忠行、石井良恵、浜田智の3氏を擁立。参政党は大村小太郎氏、新党くにもりは沢田英一氏、幸福実現党は森山佳則氏が出馬。街頭演説やインターネット交流サイト(SNS)も活用し党の政策の浸透を図る。
既存政党の政策を疑問視する諸派勢力の積極的な擁立で、95年以降の道選挙区としては10人が出馬した98年、2001年、16年を上回り、最多となる見通し。乱戦模様で「初夏の陣」の選挙戦が、間もなく始まる。
(札幌支社・広江渡)
◆参院選道選挙区(改選数3)の立候補予定者(敬称略)
長谷川 岳 (51)自民・現
船橋 利実 (61)自民・新
徳永 エリ (60)立憲・現
石川 知裕 (49)立憲・新
畠山 和也 (50)共産・新
臼木 秀剛 (41)国民・新
斉藤 忠行 (30)N党・新
石井 良恵 (61)N党・新
浜田 智 (59)N党・新
大村小太郎 (36)参政・新
沢田 英一 (69)くにもり・新
森山 佳則 (55)幸福・新
※立憲は立憲民主党、国民は国民民主党、N党はNHK党、参政は参政党、くにもりは新党くにもり、幸福は幸福実現党。年齢は投票日(7月10日予定)時点の満年齢。

















