苫小牧出身の阿部尋斗(22)=NLS(東京)所属=は、5月3~5日に横浜国際プール=神奈川県=で開かれた第34回フィンスイミング日本選手権大会の100メートルサーフィスで準優勝し、日本代表に選出された。7月20日からコロンビアで行われる世界選手権の100メートルサーフィスと4×100メートルサーフィスリレーに出場する。初の大舞台に「自分の泳ぎで自己ベストを更新しながら、少しでも上位を目指したい」と気合十分だ。
フィンスイミングは足ひれを装着して行う水泳競技で、サーフィスは水面泳。阿部は5歳から水泳を始め、小学3年から高校卒業までは苫小牧市のアブロス日新温水プールの選手コースで競泳に励んだ。「自分の意見を尊重してくれた。トップ選手の技術を盗むことが大学以降でも役に立った」
阿部を10年にわたり指導した大江俊彰館長は「昔から体格にも恵まれ、研究熱心な選手だった。自分で調べ、考える努力は並大抵じゃない。連絡をもらい、率直にすごいと思った」と教え子の躍進をたたえた。
フィンスイミングへの転向を決めたのは苫小牧東高在学中。テレビでフィンスイミングを見たことをきっかけに興味を持ったという。「競泳でもフィンを用いた練習があり、自信があった」と語り、練習環境が整った日本体育大学へ進学を決意した。
大学でフィンスイミングに取り組むと、そのスピード感に心を奪われた。「フィンスイミングは競泳の1・5倍のスピードが出るとされる。競泳の練習で使ったものとは全く違ったが、それも研究しがいがあると思った」と探究心をくすぐられた。「道具を使った競技であるところも魅力。距離によってフィンの硬さを変えるなど、競泳とは技術面も異なってくる」
日本選手権では「リレーの最終泳者として、日本代表選出」を目標に臨んだ。当日は「絶好調だった」。予選を3位通過。リレーだけでなく、個人種目でも代表入りを狙える中で迎えた100メートルサーフィス決勝は、自己ベストを1・6秒縮めた37秒92で2位に輝いた。「タイムを見たら、個人の派遣記録を100分の1秒切っていて、喜びよりも驚きの方が強かった」と振り返る。
現在は7月20日からコロンビアで開催される世界選手権に向け、特訓の日々を過ごしている。リレーでは第3泳者を務め、「日本記録を更新して、決勝の舞台に立ちたい」と闘志を燃やしている。




















