苫小牧キリスト教船員奉仕会36年の活動に幕 憩いの場提供 コロナで困難に

苫小牧キリスト教船員奉仕会36年の活動に幕 憩いの場提供 コロナで困難に
36年の歴史に終止符を打った苫小牧キリスト教船員奉仕会の解散総会=6月30日、シーフェアラーズセンター

 海外から苫小牧港に入る貨物船の外国人船員をもてなしてきた苫小牧キリスト教船員奉仕会(吉野暁生会長)が6月30日、解散した。ボランティア会員の高齢化や減少に加え、新型コロナ流行でほぼ活動停止に陥り、再開のめども立たないためだ。会の発足から36年。同会運営の保養施設(双葉町)に受け入れた船員の数は延べ15万5000人超に上る。国際港湾都市を市民レベルで支えた取り組みは、コロナ禍の追い打ちに遭って幕を下ろす形となった。

 同日夜、保養施設のシーフェアラーズセンターで開かれた解散総会。集まった約30人の会員に吉野会長が解散理由を説明し、了承された。活動拠点の同センターが建つ敷地はキリスト教団体から借りているため、建物を今後解体し、土地を返すという。

 同会は1986年、苫小牧市内の五つのキリスト教会の有志らで立ち上げた。1年の大半を船上で過ごす国際航路の外国人船員らに、陸上での安息のひとときを提供したいとの思いからだった。翌年、ビリヤード台やインターネットができるパソコン、ゆったりとくつろげるソファなどを備えた同センター(旧シーメンズクラブ)を双葉町に開設した。教会関係者やボランティア会員が外国籍船の船員を訪ね、ワゴン車やバスで船とセンター間を無料で送迎。アジアや北米、ヨーロッパなど世界各国の船員らに憩いの場を提供する活動を繰り広げてきた。

 しかし、一時は80人ほどいたボランティア会員が少なくなり、高齢化も進んだ。さらに新型コロナの影響で船員の上陸が難しくなり、2020年3月から同センターの活動を停止。先行きが見通せない状況から解散を決めたという。

 北海道経済を支える国際港湾・苫小牧港の意義を地元市民に伝えることにも貢献してきたが、活動の終了に吉野会長は「大切にしてきた船員との交流がコロナで困難になってしまった。残念だが、また新たな形で活動を再開できれば」と話す。

 同会に長く関わり現在、函館市の教会司祭を務める藤井八郎さん(81)は「キリスト教という枠にとらわれず、多くの一般市民が活動に関わったことに大きな意味があった」と回想。事務局長を担った柳谷豊さん(76)は、市民参加で行った港ウオーキングイベントなどを振り返りながら「たくさんの人との出会い、思い出が財産」と語った。

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