苫民アンケート調査から 候補は主張する 争点の外交・安保、憲法改正

苫民アンケート調査から 候補は主張する 争点の外交・安保、憲法改正
選挙戦も終盤。各党、候補の主張に耳を傾ける聴衆=札幌市中央区

 10日の投開票へ向け、激戦が続く参院選道選挙区(改選数3)。論戦の主軸となっているのが、ロシアのウクライナ侵攻に伴う日本の外交・安全保障の在り方と憲法改正問題。出馬している候補は何を主張しているのか。苫小牧民報社が実施したアンケート調査に回答した10人の候補の訴えを紹介する(石井良恵、斉藤忠行両氏は無回答)。

 長谷川氏は、外交・安全保障について「もはや一国では自国の安全保障は守ることはできない」と強調し、「日米同盟を基軸とし、さらに豪印、ASEAN、欧州、NATO、AUKUSなどと連携しつつ、わが国自身の防衛力を抜本的に強化していくべき」と主張。憲法改正に関しては「結党以来の党是。国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の三つの基本的原理は堅持し、国民の幅広い理解を得て、時代や社会の変化に対応しアップデートしていく必要がある」との姿勢だ。

 船橋氏は、外交・安保に関して「強力な対ロ制裁措置を行うとともに、ウクライナや周辺国への人道復興支援を強化する」と主張。「わが国自身の防衛力の抜本的強化を図り、防衛産業のサプライチェーンの見直し、自衛官の処遇改善、日米同盟を基軸に欧州や台湾との関係も一層強化する」との姿勢。憲法改正も「党是であり、まずは党が示した4項目の改正を目指す」と強調。「国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の基本原理は堅持しつつ、時代や社会の変化に対応し、国民の幅広い理解を得て実現したい」と訴える。

 徳永氏は、外交・安保に関して「そもそも関係諸国との平和を維持することが政治の役割であり、互いの武力的な緊張を高めかねない防衛力強化が一義的にあるべきでない」と主張。外交の強化や経済なども活用した「総合的な安全保障強化の構築が必要」と訴える。憲法改正については「9条改正には反対」としながらも、他の事項に関しては「立憲主義に基づく権力の制約、国民の権利拡大に寄与するものであれば、必要な改定を議論、検討すべき」との姿勢だ。

 石川氏は、外交・安保について「平和を基調とする憲法を有し、唯一の被爆国である日本は他国の侵攻、攻撃、合意なき現状変更は許すことができない」とし、「緊張緩和のためにあらゆる手段を講ずる」と強調。防衛予算の増額は「近隣諸国との緊張を増幅させる」と指摘し、「軍事力競争で脅威を与えるのではなく平和外交を基本」とするスタンス。憲法改正については「個人としては改正に反対だが、議論を否定するものではない」と主張。「特に賛否が拮抗(きっこう)している9条については、これがあるからこそ現在まで日本の平和が保たれていると考えている」と答えた。

 畠山氏は、外交・安保について「東アジアでの友好協力条約の推進、核兵器禁止条約への参加など、戦争を防ぐ平和の枠組みを強化する」と主張。さらに「敵基地攻撃や軍事費2倍化は、緊張と武力衝突のリスクを高めるもので止めさせる」と批判。憲法改正に関しては「9条のおかげで、日本は戦後一人の外国人も殺さず、戦死者も出していない主要国で唯一の存在になっている」と強調し、「国民はもとより自衛隊員の命を守る条項であり変えてはならない」と訴える。

 臼木氏は、ウクライナ情勢に伴う外交・安保について「わが国としての正確な情報を把握する。海外各国との連携強化をしながら、過去の経緯も踏まえて日本独自の外交交渉を継続する」と主張。憲法改正に関しては「96条で認めているので今も必要に応じて国民的議論を行い改正は可能」と強調。制定当時にはなかった「デジタル、インターネット上の問題や地球環境、地方分権の強化などについては、積極的な議論を行っても良いのではないか」とのスタンスだ。

 大村氏は、外交・安保について「ロシアや中国といった国と外交上の交渉をしていく中で、軍事力のバックボーンのない発言では、その発言においての効力は雲泥の差になる」と主張。「反撃能力を含めた自衛力はつけるべきで、反撃能力の保有を含めた自衛隊の装備、能力強化の推進」を掲げる。憲法改正に関しては「自民党政権下での憲法改正で緊急事態条項などを含めて、国民の生命、財産などが脅かされる可能性が高いため反対する」とし「一から創り直す『創憲』の立場を取る」と訴える。

 浜田氏は、外交・安保について「残念ながら権威主義国は力でしか会話ができないよう」と指摘し、「日本も防衛はタブー視しないで、例えばハイテク兵器(核ではない)も表だって議論すべき時期にきている」と主張。憲法改正に関しては「自衛隊に関する部分だけは明確にするべき」としている。

 沢田氏は、外交・安保に関して「自分の国は自分で守る。自主防衛に入る。核武装の議論を始める」と訴える。憲法改正についても「当然改正すべき。アメリカ製作の憲法で良いはずがない。日本の歴史に基づいた憲法を」と主張する。

 森山氏は「ウクライナでの戦争が長引いた場合、全ヨーロッパ対ロシアに拡大する可能性がある」と指摘。「核爆弾が使用されると何百万の方々が亡くなる可能性がある」とし、「日本政府は戦争が長期化しないように、仲介をして停戦に導く外交努力が必要」と提言。憲法改正に関しては「9条を改正し、自分の国は自分で守れるようにする。また、自衛隊を国防軍とする」と訴えている。

 ※ASEANは東南アジア諸国連合、NATOは北大西洋条約機構、AUKUSは米英豪の安全保障枠組み。

■参院選道選挙区の候補者(敬称略、届け出順、立憲は立憲民主党、国民は国民民主党、N党はNHK党、参政は参政党、くには新党くにもり、幸福は幸福実現党)

大村小太郎(36)参政・新

船橋 利実(61)自民・新

浜田  智(59)N党・新

斉藤 忠行(30)N党・新

沢田 英一(69)くに・新

畠山 和也(50)共産・新

長谷川 岳(51)自民・現

森山 佳則(55)幸福・新

臼木 秀剛(41)国民・新

徳永 エリ(60)立憲・現

石川 知裕(49)立憲・新

石井 良恵(61)N党・新

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