【解説】選挙戦終盤、安倍晋三元首相が遊説中に凶弾に倒れて様相が一変した夏の政治決戦。全国的には自民党が圧勝。道選挙区(改選数3)も自民が前回(2019年)に続き勝敗ラインに掲げた「2議席奪取」を達成し、立憲民主党との激戦を制した。
自民は、長谷川岳氏と船橋利実氏の人気・知名度の差を最大の懸念材料に挙げ、党員や支持団体の組織票を船橋氏に大幅に寄せる戦略を描いた。推薦を受ける公明票の「傾斜配分」も奏功し、「野党で2議席」を許した前々回(16年)の同じ轍(てつ)を踏まなかった。
急逝した元首相が領袖(りょうしゅう)の安倍派の長谷川氏は終始、危なげない選挙戦を展開。全道各地の分厚い後援会がフル回転し組織票を固めたほか、大票田・札幌で無党派層も取り込み、60万票に迫る得票でトップで3選のゴールを切った。麻生派の船橋氏は党が「重点候補」に位置付け、麻生太郎副総裁や茂木敏充幹事長らが続々と応援に入った。鈴木宗男参院議員が代表を務める地域政党「新党大地」も側面支援し、支持を堅調に拡大。3番目に滑り込み、国政復帰へつなげた。
一方の立憲は、国民民主党との調整が不調に終わり、両党から3人が出馬する事実上の分裂選挙に。懸念された「労組票」と「野党票」の分散が現実なものとなり、自民2候補に競り負けた。
徳永エリ氏は、連合北海道の官公労を主体とした旧総評系の支援を受けて、安定した戦いを展開。「女性議員増」の必要性を強くアピールし、女性票も手堅くまとめて2位の得票で3選を果たした。連合の推薦枠から外れた石川知裕氏は、複数の勝手連組織が徹底した草の根選挙を展開。今期限りで引退する鉢呂吉雄参院議員も「後継」として全面支援したものの、船橋氏に及ばず、国政復帰はかなわなかった。
共産党の畠山和也氏、国民民主党の臼木秀剛氏は、自民・立憲の有力4候補対決に埋没。議席に届かなかった。
今後3年間、大型国政選挙がなく、与党側がささやく「黄金の3年間」前の政治決戦だったが、投票率は53・98%。前回(53・76%)からわずかながら上昇したものの、依然低迷。道民の政治離れが続いた。
(札幌支社、広江渡)
















