絵本作家の猫月うたさん、新作20日に発売 市内のフリーライター長木さん原案 幼女の心情丁寧に描く

絵本作家の猫月うたさん、新作20日に発売
市内のフリーライター長木さん原案 幼女の心情丁寧に描く
「チラホラケトンチョ」を制作した猫月さん(左)と原案を手掛けた長木さん

 苫小牧市の絵本作家猫月うた(本名・末澤香)さん(56)の新作「チラホラケトンチョ」が20日、みらいパブリッシング(東京)から発売される。市内のフリーライター長木けい(本名・谷口佳子)さん(68)が書いた童話を基に、”お姉ちゃん”になった小さな女の子の揺れ動く心情を繊細に描いた。猫月さんは「ぜひ多くの人に読んでほしい」と話す。

 妹が生まれ、お母さんを取られたような気がして寂しい思いをしている幼い女の子が主人公の絵本。「何でも願い事をかなえてくれる」という縫いぐるみのチラホラケトンチョに「赤ちゃんになりたい」とお願いしたことから、不思議な生活が始まるストーリーだ。

 姉として振る舞いたい半面、自分もまだ甘えたい複雑な気持ちを丁寧に表現した。

 物語の要であるチラホラケトンチョの生みの親は、長木さん。子どもと遊んでいる最中にふと浮かんだ言葉にインスピレーションを受けて約20年前、チラホラケトンチョが登場する童話を書き上げた。子どもの赤ちゃん返りをテーマとした物語で、読み聞かせ活動の仲間である猫月さんにも紹介したという。

 2020年10月に胎児がおなかの中で育つ様子を描いた絵本「おなかちゃん」(みらいパブリッシング)を発表した猫月さんは次回作の構想を練る中、何年も心に残り続けたチラホラケトンチョが登場する絵本作りを決意。長木さんの思いも踏まえた新たな物語として、約1年前に本格的な作業に着手した。

 「特にこだわったのはチラホラケトンチョの見た目」と猫月さん。何枚も書き直し、大きな目ととぼけた表情、青緑色という不思議な外見ながら、愛嬌たっぷりのキャラクターに仕上げた。

 3男1女の母としての経験も作品の随所に反映。特に2歳で初めての弟ができた長女に対し、「もう2歳なんだからこれくらいできるでしょ」という気持ちで接していたことへの反省も込め、作中では母親にぎゅっと抱き締められてうれしそうな表情を浮かべる”お姉ちゃん”を描いた。

 猫月さんは「子どもはもちろん、子育て中の人にもぜひ手に取ってもらいたい。読み聞かせ活動などで、皆さんに知ってもらう機会をつくりたい」と意気込む。長木さんは「自分が考えたキャラクターでこんなに魅力的な絵本を作ってもらえてうれしい。家族の成長を応援する作品として愛されるようになれば」と期待を込めた。

 絵本は1400円(税抜き)。インターネットショップのAmazon(アマゾン)で販売するほか、市内の妙見寺(音羽町)、未来屋書店苫小牧(柳町)、しんどう書店の本店・ステイ店・沼ノ端店でも取り扱う予定。

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