国際地理学連合 「顕著な実践賞」を受賞 小野北大名誉教授の活動評価

国際地理学連合 「顕著な実践賞」を受賞 小野北大名誉教授の活動評価
IGUの「顕著な地理学的実践賞」を受賞した小野さん=26日午後、道政記者クラブ

 北海道大学名誉教授で自然地理学が専門の小野有五さん(74)=札幌市=が、国際地理学連合(IGU)の「顕著な地理学的実践賞」を受賞した。千歳川流域の治水対策として環境保全の観点から千歳川放水路計画に反対して中止させ、代替として遊水地造成を提案し、実現させた活動が評価された。26日に道庁で記者会見した小野さんは「長年の活動が評価されて大変うれしく、名誉なことだと思う」と話した。

 IGUは地理学の国際的な学会。今月15~22日にフランスのパリで開かれた第100回の国際大会を記念して同賞を創設。日本人の小野さんをはじめ世界で4人が受賞した。

 受賞理由は▽地理学的研究に基づき、北海道開発局が1982年に打ち出した千歳川放水路計画に反対し、中止させて苫小牧市のウトナイ湖(ラムサール条約登録湿地)の自然を守った▽千歳川流域で6カ所の遊水地造成を提案し、2021年に全ての遊水地を完成させた―ことが評価された。

 さらにIGUは「洪水防止だけでなく、タンチョウの新たな生息地になるなど地域の発展に大きく貢献した」と強調。これらは「地理学者が災害の軽減と、生物多様性の保全といったSDGs(持続可能な開発目標)の目標を早くも1990年代に率先して掲げ、市民と共に行動した結果」と指摘している。

 会見した小野さんは「ちょうど30年前の92年に遊水地を開発局に提案した」と説明し、当初は「農家や放水路一本やりの開発局から反対されたが、私は地理学的にこれしかないと思い説得した」と振り返った。賛成、反対運動が過熱した放水路問題に「中立的な立場で代替案を提案できたと思う」と語った。

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