被害防ぐ「出前寸劇」依頼回復 苫消費者協会 成人年齢引き下げで若者向けも

被害防ぐ「出前寸劇」依頼回復
苫消費者協会 成人年齢引き下げで若者向けも
ユーモアを交え、詐欺被害を演じるメンバー=6月、植苗ファミリーセンター

 消費者トラブル防止へ、被害事例を演技で再現し注意喚起する苫小牧消費者協会の「出前寸劇」。新型コロナウイルス禍で落ち込んでいた依頼件数が今年度に入り、回復しつつある。寸劇の題材はこれまで高齢者をターゲットにした特殊詐欺や訪問販売などが中心だったが、市内の高校からの依頼をきっかけに若者の被害を扱った台本を新たに製作中。4月の民法改正で、成人年齢が18歳以上に引き下げられたことを踏まえた内容に仕上げる考えだ。

 「介護保険課のサギ川と申します。還付手続きをしていただけると、2万円が戻ってきます」

 6月中旬、市内の植苗ファミリーセンター。市東地域包括支援センターの依頼を受けて行われた寸劇の一幕だ。女性が、市の職員を名乗る男からかかってきた電話を信じてしまい、預金をだまし取られる状況を再現した。

 地域の高齢者約20人が参加。コミカルな演技に会場からは時折笑いも起き、「そうなんだ」と理解を深めた様子だった。支援センターの米田清美センター長は「不審な勧誘を受ける高齢者が多く、被害に遭わないようにと(同協会に)これまで2、3回依頼している。具体的で分かりやすくて、面白い」と話す。

 被害者の女性を演じた同会の山内幸子会長(74)は「台本はあるがタイムリーな情報を交え、アレンジすることが多い」と指摘。見る人を引き付けるためユーモアも取り入れ、内容の充実を図っている。

 同協会は2017年4月、会員有志による寸劇研究会を設立。講師が一方的に話すスタイルを発展させ、だましの手口を芝居で伝えることにチャレンジしている。

 寸劇の依頼は初年度の17年度が5回で、参加者は計205人。その後、18年度が9回280人、19年度は27回849人と右肩上がりで推移した。コロナ禍で20年度は5回143人、21年度も5回145人にとどまったが、今年度は7月22日時点で既に10件の依頼が、町内会や地域包括支援センターなどから来ている。

 現在、10月に出前寸劇を予定する苫小牧中央高校の生徒向けに「契約トラブル」をテーマとした台本を作成中。未成年者が親の同意を得ずに契約した場合は原則、契約の取り消しが可能だが、4月の成人年齢引き下げで19、18歳はこの権利を使えなくなり、契約トラブルに巻き込まれるリスクが高まっているためだ。

 寸劇研究会代表の菅原實さん(81)は「何とかして、だまされ不幸になる人を減らしたい」と意気込んでいる。

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