相手を手玉に取るキレのあるサーブ、どんな速さにも対応できるラリー力。藤田が並み居る上級生を抑え、２大会連続の決勝トーナメント進出を果たした。

　予選で山口県３位、山梨県１位の４年生を下すと１回戦では大阪府２位の角野（４年）と対戦した。「サーブが決まれば乗っていける」と第１セットを０―２から５連続ポイントで逆転し奪取。第２セットも序盤からポイントを重ね逃げ切った。

　２回戦は福岡県予選を制し、全九州大会で２位に入ったカット打ちの中野（４年）。道内では対戦経験がない守備型選手とは、前回大会バンビの部３回戦でも当たりストレート負けしていた。

　「去年と一緒か」と少しひるみそうになったが、今回は違った。落とせば試合終了の第２セット、４―８から「相手のカットボールをうまく返せた」としぶとく追い上げ、先にマッチポイントを握られながらも逆転で同セットを取った。勝利こそならなかったが、飛躍のヒントをつかむ一戦になった。

　「緊張や不安の中でも強い気持ちで戦える精神面がさらに成長した」と菊池代表は目を細める。藤田は「全国にはいろんなタイプの選手がいる。たくさん経験して克服しないともっと上にはいけない。来年こそベスト８に入りたい」と語った。