苫小牧市の多胎児支援好評 4~6月 利用延べ11回 負担軽減「本当に助かった」

苫小牧市の多胎児支援好評 4~6月 利用延べ11回 負担軽減「本当に助かった」
市の多胎児産後サポート事業を活用する女性(右)

 昨年4月にスタートした、双子や三つ子が誕生した家庭の育児、家事を支援する苫小牧市の多胎児産後サポート事業。2021年度は3世帯に延べ6回、22年度も4~6月の3カ月間で4世帯に延べ11回の支援を行っており、利用者からは「本当に助かった」といった声が上がる。市健康支援課は「多胎児育児に掛かる心身の負担は相当。絶対に無理せず、気軽に支援を受けてもらいたい」と話す。

 同事業は多胎児の母親の身体的、精神的負担を軽減する目的で、産後のサポート事業の一環で始まった。研修を積んだ民間の児童福祉事業所の支援員が家庭に出向き、授乳の手伝いやほ乳瓶の洗浄、粉ミルクの調乳、離乳食の介助、おむつ交換、入浴介助といった育児を支援。簡単な調理や室内の片付けといった家事支援、買い物や通院などの付き添い支援にも対応している。

 利用料は1回当たり500円で、支援時間は1回当たり最大2時間。原則、子どもが1歳までになるまでの間、計20回利用できる。

 一般的に2人以上の赤ちゃんの妊娠や出産は1人の場合に比べて母子の健康リスクが高く、体に大きなダメージが残ったまま育児に入る母親も少なくないとされる。家に閉じこもりがちになり、強い孤立感を抱きながら子育てに臨んでいるケースもある。

 昨年8月、男児と女児の双子を出産した市内東部在住の女性(38)は「子どもたちを生かすことに必死で、生後3カ月までの記憶はほとんどない。今思うとギリギリの状態だった」と振り返る。

 女性が特に大変だったのは「授乳と同時に泣いてしまったとき」と告白。1人授乳を終えると、すぐにもう1人の授乳のタイミングになることが多く、「一生ミルクをやり続けなければならないのか」と強いプレッシャーを感じていたという。

 2人同時に泣きくずってもどちらか1人しか抱くことができず、抱かれていない方が泣き続けることもしばしば。「待ち望んで生まれてきたかわいいわが子でも、つらくて追い詰められる瞬間もあった」と打ち明ける。

 女性は市の多胎児産後サポート事業を知ってはいたが「疲れて頭がうまく回らず、自分から行動する気力もなく、利用する気になれなかった」というが、助産師の後押しで今年4月に初めてサポートを受けた。骨盤矯正のために外出している間、子どもたちの様子を見守りながら室内の片付けをしてもらう内容で、女性は「こんなに助かるとは思わなかった」と喜んでいた。

 一方、「本当につらかった時に利用したかったという気持ちもある。具体的に何かを助けてもらうというより、子どもが泣いているとき、誰かがそばにいてくれるだけで心強かったと思う」と振り返った。

 市健康支援課の担当者は「必要としている人に利用してもらえるよう、多胎児の母親には事業を丁寧に説明していきたい」と話している。

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