苫小牧市科学センター 谷内六郎の壁画 完成から半世紀 来月から市美術博物館で特別展

苫小牧市科学センター 谷内六郎の壁画 完成から半世紀 来月から市美術博物館で特別展
谷内六郎の壁画「芽の出る音」

 画家の谷内六郎(1921~81年)が苫小牧市科学センター(旭町)の外壁にタイルを埋め込み制作した壁画が今年、完成50周年を迎える。9~11月に市美術博物館で記念の特別展が開催される一方、タイルが剝がれるなど作品の傷みも激しく、市民団体が保存を呼び掛けている。

 壁画「芽の出る音」はモザイク画で、週刊新潮の表紙絵で知られる谷内が1972年、当時、科学センターに勤めていた市職員と親交があった縁で完成させた。縦5メートル、幅14メートルの大作は、イタリアから取り寄せたとされるガラス製タイルが使用されている。冬の終わりに、春の訪れを祝うように、子どもが雪面で遊ぶ姿や樽前山とみられる山が描かれている。

 半世紀を経た壁画は風雨などの影響で経年劣化が進んでいる。土台が湾曲してタイルが一部剝がれ落ち、現在は剝がれそうな箇所をアクリル樹脂で固めている状態だ。

 同センターは今後、改築される見込みで、壁画もいったん取り壊す方針だが、市民有志でつくる「谷内六郎モザイク壁画を再生する会」の矢嶋翼代表は「著名な芸術家の作品を必ず再現したい」と話す。矢嶋代表は2018年8月、東京の遺族を訪問し、保存や再現については矢嶋代表や市に一任するとの承諾を得たという。市は縮小版のレプリカ化やデジタルデータへの転換など、何らかの形で保存する方向で検討している。

 市美術博物館は9月から、特別展「壁画『芽の出る音」50周年記念谷内六郎展」を同館で開催する。神奈川県の横須賀美術館に併設されている谷内六郎館の所蔵品を借り受けて展示する予定だ。矢嶋代表は「壁画の存在を知らない市民も多い。この機会に素晴らしい作品が市内にあることを知ってもらいたい」と語った。

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