苫小牧勢奮闘も及ばず―卓球・全中体育大会

男子個人シングルス2回戦で奮闘する苫和光の石川=21日、市総合体育館

 第53回全国中学校体育大会第2日は21日、苫小牧市総合体育館で男女団体の決勝トーナメント1、2回戦、個人シングルスのトーナメント4回戦までが行われた。個人シングルスに挑んだ男子の石川隼丞(苫小牧和光3年)、女子の近田彩梨(苫小牧緑陵1年)が共に2回戦敗退。男子の三浦魁斗(苫小牧啓明2年)、女子の丹波瑠菜(同1年)は1回戦で涙をのみ、苫小牧勢は22日の最終日を残し姿を消した。

 第1日の20日に行われた団体戦予選リーグでは男子の苫和光、女子の苫小牧ウトナイがそれぞれリーグ2敗の3位で決勝トーナメント進出を逃した。
 【個人シングルス】
 男子
 ▽2回戦
山岸駿(直江津東)=新潟=3―0石川隼丞(苫小牧和光)
 ▽1回戦
太田駿樹(秋田大付属)=秋田=3―0三浦魁斗(苫小牧啓明)
石川隼丞=不戦勝=寺地暖人(帖佐・鹿児島)
 女子
 ▽2回戦
面手凛(山陽学園)=岡山=3―0近田彩梨(苫小牧緑陵)
 ▽1回戦
近田彩梨3―0西原万紋(名経大高蔵)=愛知=
森國穂乃花(社)=福井=3―0丹波瑠菜(苫小牧啓明)
20日
 ◇団体
 【男子】
 予選L
 ▽津田(徳島)4―1苫和光
辻田剛佳(津田)3―1佐々木遼夢(苫和光)
鶴羽慎之介(津田)3―1石川隼丞(苫和光)
米山史桔・六田理孔(津田)3―2水上真・木澤元希(苫和光)
岡久昊平(津田)3―2渡邊優樹(苫和光)
藤田博翔(苫和光)3―1田中優介(津田)
 ▽桜ケ丘(鳥取)4―1苫和光
田中陽大(桜ケ丘)3―0渡邊優樹(苫和光)
石川隼丞(苫和光)3―1古曳勇人(桜ケ丘)
河上晴希・中村一貴(桜ケ丘)3―1水上真・木澤元希(苫和光)
都宮悠生(桜ケ丘)3―0藤田博翔(苫和光)
日高優翔(桜ケ丘)3―0畠山彪斗(苫和光)

 【女子】
 予選J
 ▽大間々(群馬)3―2苫ウトナイ
長谷川凜香(大間々)3―1富士本璃呼(苫ウトナイ)
大橋茜(苫ウトナイ)3―0松島凜歩(大間々)
阿久澤真実・竹村萌伽(大間々)3―2大和詩・近藤ありす(苫ウトナイ)
坂西真由子(大間々)3―0水島凜(苫ウトナイ)
葛西美央(苫ウトナイ)3―1武田心羽(大間々)
 ▽平田(島根)4―1苫ウトナイ
原理菜(平田)3―0葛西美央(苫ウトナイ)
河原ななか(平田)3―2富士本璃呼(苫ウトナイ)
高橋琴美・尾添希帆(平田)3―0大和詩・近藤ありす(苫ウトナイ)
原和未(平田)3―0水島凜(苫ウトナイ)
大橋茜(苫ウトナイ)3―0神田佳奈(平田)

―石川、実力差を痛感
 実力差に脱帽するしかなかった。男子シングルスに挑んだ石川(北海道菊卓会所属)は1回戦を不戦勝。2回戦では自身も出場した昨年10月の全日本カデット(中学2年生以下)8強、北信越ブロック覇者の山岸と対戦した。
 第1セットは5―8から4連続ポイントで一時逆転。セット奪取はならなかったが一進一退の攻防を繰り広げたかに見えた。「サーブがキレてる」。今まで経験したことのない高回転サーブに石川は悩んでいた。
 不安は的中。第2、第3セットはサーブの返球もままならずリズムを崩すと、2セットでわずか4点しか奪うことができなかった。「打球点を変えたり、自分から回転を切るレシーブができていれば」と肩を落とした。
 闘志あふれる攻めの卓球で昨年9月の北海道カデット男子14歳以下を制するなど大器の片りんは示している。菊卓会の菊池代表は「もっと卓球を研究して強くなってほしい」と期待。石川は「どんなタイプの選手にも対応できるようにしていきたい」と前を向いた。

―男女団体・全国強豪と好ゲーム
 20日の団体戦予選リーグに挑んだ男子和光と女子ウトナイ。共に開催地枠での出場だったが、全国各ブロックを勝ち抜いた強豪と好ゲームを演じた。
 3月の選抜大会に続いて全国出場をかなえた和光は、中学から競技を始めた選手たちの頑張りが光った。初戦の津田戦で成長著しい佐々木(2年)がシングルス1番手で1―3と粘ると、ダブルスでは水上・木澤の3年生ペアが2セットを先行するなど意地を見せた。
 石川主将ら小学生から競技に励む選手が、自分たちの練習時間を割いてまで指導役を買って出た成果。伊藤顧問は「誰か頼みではなく、チームとして成長してくれた」とたたえた。
 ウトナイは予選同組1位の大間々に2―3と競るなど決勝トーナメント進出まであと一歩だった。ダブルス戦を担った大和(3年)は「全国との差を実感したけど楽しかった」と話した。
 3年生は市内のクラブ苫小牧ジュニアで腕を磨いてきた葛西主将と、中学から本格的に競技を始めた大和のみ。下級生主体のチームを二人三脚で力強く引っ張ってきた。
 葛西主将は「自分たちの姿を見ていろんなことを学んだと思う。頑張ってほしい」と後輩たちにエールを送った。

―1、2年生の善戦光る
 個人シングルスに挑んだ1、2年生3選手が上級生相手に奮闘した。
 女子の近田は1回戦で守備型のカット打ち選手をストレートで撃破。「苦しいときに決め急がず我慢できるようになった。精神面で成長した」と所属する北海道菊卓会の菊池代表は目を細める。昨年の全日本カデットで8強入りした面手には完敗だったが、貴重な対戦経験を積むことはできた。
 同じく女子の丹波は0―1と先行された第2セットに奮起。得意のサーブで相手を崩しながらしぶとく加点しポイント9―9まで競った。セット奪取には至らなかったが「自分の力は出し切れた」と胸を張った。
 男子の三浦はセットを重ねるごとに持ち味とする攻めの卓球にエンジンがかかった。ただ「打っても打っても入らなかった」と半ば自滅した形での敗戦を悔やむ。「もっと一本一本を大切にプレーしていきたい」と飛躍を誓った。

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