大学生の柏 日本人トップ 女子は山口が優勝 初マラソンで 闘争心見せた柏 35歳山口 納得のV 北海道マラソン

北海道マラソンでゴールする柏優吾=28日、札幌市

 北海道マラソンは28日、札幌市の大通公園を発着点とする42・195キロのコースで行われ、男子は柏優吾(東洋大)が2時間11分41秒で日本人トップの2位に入った。青木優(カネボウ)が2時間11分44秒で3位。ケニア出身のルカ・ムセンビ(東京国際大)が2時間10分49秒をマークして優勝した。

 女子は山口遥(AC・KITA)が2時間29分52秒で制した。松下菜摘(天満屋)は中盤に失速し、10位に終わった。

 2024年パリ五輪の日本代表選考会となる23年秋のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場権は、男子が柏、青木ら4人、女子は山口のみが獲得した。

 過去2年は東京五輪・パラリンピックに伴い休止され、3年ぶりの開催となった。(スタート時の気象=曇り、気温24・5度、湿度60%、北東の風0・1メートル)

柏、闘争心でMGC出場権

 ▽…マラソン初挑戦の東洋大4年生、柏が2位でMGC出場権を獲得した。レースは中盤からムセンビが飛び出す展開。有力選手が次々と集団から脱落する中で踏ん張り、40キロすぎで日本人トップに躍り出た。「闘争心を見せ、皆さんに感動を与えることができた」と振り返った。

 箱根駅伝の出場経験はないが、4月ごろに酒井俊幸監督と話し合ってマラソン挑戦を決めた。「今後の学生駅伝につながる」との信念を持ち、チーム練習に加えて走り込みを重ね、自主トレーニングで体幹も鍛えてきた。

 切符をつかんだMGCは「本当に力のある選手しか走ることのないレース」。1年後の大一番を見据え、「駅伝を通して力を付け、来年度に向けて精進したい」と意気込みを示した。

山口、理想の展開

 ▽…実業団に所属していない35歳の山口が、理想通りの展開で優勝した。松下が抜け出しても惑わされず、5キロで18分を切るペースを守り、30キロ地点までに先頭へ。2時間29分52秒をマークし、きっちりMGCの切符もつかんだ。「落ち着きながら、自信を持って走ることができた」と納得の口ぶりだった。

 かつては「実業団に入りたかったけど、入れないレベルだった」そうだが、夫らの支えで競技を続け、力を付けてきた。4年ほど前からパラリンピックを目指す視覚障害の選手の伴走者を務め、強化合宿にも参加。昨夏の東京パラでも走った。

 MGC出場権を獲得し、今度は自身が五輪に出る道が開けた。「しっかり戦えるように、練習を積み重ねていけたら」と決意を新たにした。

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