特定技能を持つ外国人材の地域や職場への定着を支援する厚生労働省の「地域外国人材受け入れ定着モデル事業」。苫小牧市内でも同事業を活用し、ネパールとインドネシア出身の外国人3人が介護現場で働いている。人手不足が深刻な介護業界にとって、外国人材は貴重な戦力。市も外国出身者の積極的な雇用の好事例として期待している。
同事業は、2020年度からの3カ年計画。外国人材が都市圏に集中するのを防ぐとともに企業側が雇用のノウハウを蓄積するのが目的で、同省は北海道を含む5道県をモデル地区として採択した。事業を受託したパーソルキャリアが人材の募集や育成、企業とのマッチングなどを行っている。
本道は29市町村で100人を超える介護人材を受け入れており、苫小牧ではネパール出身のドング・クシさん(21)がグループホーム花縁=澄川町=、インドネシア出身のリナ・ニア・ライラさん(28)、トリア・スサンティさん(20)がサービス付き高齢者向け住宅いちい=青葉町=で働いている。
クシさんは「いつか日本で働く」という夢をかなえ、6月14日からグループホームで就労。食事の介助や着替えの手伝いなど、高齢者の生活を手助けしている。市内での生活も2カ月を超え、クシさんは「少し慣れてきた。苫小牧は静かで、涼しくて暮らしやすい」と笑顔を見せる。
リナさんとトリアさんは8月10日から勤務。介護の基礎知識や日本語の習得に向けて研修を重ねてきたという。母をイスラムの聖地に連れて行くお金をためるため、日本で働く道を選んだというリナさんは「日本語は難しいけど頑張る」、トリアさんは「日本の介護を学びたい。日本語の資格も取りたい」と意気込む。
クシさんら3人は1日、受け入れ先事業所の代表者やパーソルキャリアの担当者らと岩倉博文市長を表敬訪問。「資格を取って長く働きたい」と抱負を述べた。
花縁の大澤薫代表は「(クシさんは)とても意欲的で、一緒に楽しく働かせてもらっている」と強調。地域住民の中には外国人が介護に携わることに抵抗感を示す人もいたというが、大澤さんは「高齢者は一人の人として受け入れている。笑顔で明るいクシさんはみんなに人気」と語る。
いちいを運営する日総ふれあいケアサービス(札幌)の平井英司代表も「外国出身のスタッフはあいさつが丁寧で笑顔の人が多く、現場も明るくなる」と高く評価。給与の高い都市圏に人材が流出してしまいがちな現状にも触れ、「企業側がより魅力的な存在となることに加え、外国出身者がまちに定着できるような行政側の支援も必要」と説く。
岩倉市長は「人材の確保はまちにとっても重要な課題。他の事業所の参考となるモデルケースになれば」と期待を込めた。



















