iPSで挑むがん治療 京大細胞研の金子副所長 研究内容や可能性解説

iPSで挑むがん治療 京大細胞研の金子副所長 研究内容や可能性解説
iPS細胞によるがん治療を解説する金子副所長

 京都大学iPS細胞研究所の金子新(しん)副所長が8月31日、苫小牧市民会館で「iPS細胞による新しい医学」をテーマに講演した。参加した市民や医療関係者ら約400人に、iPS細胞の特性を生かしたがん免疫治療の研究について解説した。

 市主催の特別講演会。苫小牧腎友会の要望などを踏まえ、再生治療や新薬の開発などに期待される新技術、iPS細胞をテーマにした講演会を企画した。同研究所は、2012年にノーベル医学・生理学賞を受賞した山中伸弥教授が今年3月まで所長を務めていた。

 金子副所長はさまざまな組織に変化し、増殖するiPS細胞について「3万の遺伝子からたった三~四つを取って細胞に入れただけで、オーダーメードの多能性幹細胞ができる」と分かりやすく説明。腎臓病領域では細胞移植などが研究されていることを紹介した。

 その上で、がんの治療は従来、手術、抗がん剤、放射線の三つだが、最近は「免疫治療が急速に普及している」と指摘。がんを見極めて攻撃する「Tリンパ球」が、がんと対峙(たいじ)するには数が少ないなど課題も多く、iPS細胞がその解決に期待されていると述べた。

 金子副所長は「iPS細胞にがんを狙うセンサーを付け、がんをやっつける治療に使う。ゲノム編集すれば多くの患者に使えるため、薬価が高価な課題なども解決できる。安全性を確認しながら臨床試験を行い、一日も早く使えるようにしたい」と強調した。

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