北海道立青少年体験活動支援施設ネイパルの指定管理者公募と選定手続きで、道教育委員会の前社会教育課長が不正に関与した事実を解明する第三者調査委員会(座長・中村浩士弁護士)は5日、最終報告を発表した。中村座長は、地方公務員法33条(信用失墜の禁止)、同34条(守秘義務)違反で刑事上の責任があるとし、道教委に対し「当時の社会教育課長と課長の指示を受けた社会教育課職員1人の刑事告発を検討すべき」とした。
第三者委員会は(1)ネイパル指定管理公募及び選定における不正行為の事実認定(2)同行為に関する組織性の解明(3)同行為の原因・背景の解明―を目的に4月から8月まで調査。職員と関係者27人から事情聴取した。違法行為が認定されたのは前生涯学習推進局長と前社会教育課長、社会教育課職員3人の計5人で、前課長が13件、前局長が2件、職員3人で7件だった。
発表によると、前社会教育課長は元上司の管理職から、ネイパルの指定管理者は収益力の向上が望める事業者選定が必要との考えを示されたという。しかし一部の指定管理者は道議会議員を頼って負担金の増額を道教委に求め、自らが改善する姿勢が見られず、「新規参入による改革実現の思いが強まったことが今回の背景にある」と調査委員会は指摘。
さらに道教委の再就職先でもある団体をネイパル深川の指定管理者に選定させることに活路を見いだしたい前生涯学習局長は、当初は公募を取りやめる意向だった申請者に翻意を迫り、前社会教育課長に支援を指示。課長は職員2人に業務計画書やプレゼンテーション資料を作成させた。
調査委員会は、前生涯学習推進局長が前社会教育課長らの違法行為を認識しながら、事実確認もせず放置し現状を追認したことが地方公務員法、道の公務員倫理条例に違反する違法行為と指摘。辞退意向の申請者を公募申請に至らせた行為も違法―とした。
このほか、前課長は申請者にアイデアを提供したり、他の事業者のプレゼンテーション資料や申請書類を閲覧させるなど、職務上知り得た秘密を漏らしていたり、自身が事業者を評価した手書きの文書を職員に作成させ、選定委員にメールを送信するなど審査に影響を与えた。
中村座長は「危機管理の欠如。職員間、職員と管理職が円滑にコミュニケーションを取ることができるよう道教委の職場風土の改革が不可欠」と指摘。「コンプライアンス相談窓口」と外部専門家で構成する「コンプライアンス委員会」の設置を提言した。
「重く受け止めている」 道教委の倉本教育長
道教委の倉本博史教育長は5日、「新たな不正行為が認定されたことを重く受け止めている。関係職員の処分を厳粛に行い、最終報告で示された再発防止の提言を踏まえ、不祥事が二度と発生しないようコンプライアンス(法令順守)の確立を図る」とのコメントを出した。
















