カナダの先住民 自治や権利保障進む 千歳市で講演や報告

カナダの先住民 自治や権利保障進む 千歳市で講演や報告
基調講演する岸上会長

 日本カナダ学会(岸上伸啓会長)の第47回年次研究会が17、18の両日、千歳市のANAクラウンプラザホテル千歳で開かれた。初日はオンラインを含め約50人が参加。岸上会長が「カナダ先住民の近代史と現状~北西海岸先住民を中心に~」と題して基調講演したほか、シンポジウムや成果発表が行われた。

 岸上会長は、カナダには先住民のファースト・ネーションズ、メイティ、イヌイットが暮らしており、人口の4・9%の167万人と紹介。「独自のアイデンティティーや文化を保持している」とし「先住性、被支配、文化・アイデンティーの保持が先住民の3条件」と説明した。

 1867年にカナダ連邦が成立し、政府による寄宿学校教育で先住民は母語を失い、ポトラッチ(北米先住民族の贈答儀式)の禁止で文化が衰退したと指摘。1960年代の米国での黒人の公民権運動で先住民運動も高揚し、カナダ政府は先住民政策を大きく転換。「82年には憲法で先住民族の権利を保障し、その後、政府は先住民族の自治を認め寄宿学校での過ちを謝罪した。2016年に国連の先住民族権利宣言の国内適用を表明した」と語った。

 岸上会長は「州の法律に触れない範囲で自治を認めており、文化財や遺骨も出所が判明したところから返還されている」と述べた。

 「アイヌ民族の先住民権回復を目指して」をテーマにしたシンポジウムでは、千歳アイヌ協会の中村吉雄会長が「アイヌ民族と私」、平取町教育委員会の関根健司氏は「平取町におけるアイヌ語教育の実践」の事例を報告した。

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る