東胆振自治体は半旗掲げず 国や道の要請なく、世論にも配慮ー安倍氏国葬

東胆振自治体は半旗掲げず 国や道の要請なく、世論にも配慮ー安倍氏国葬

 27日に東京で行われる安倍晋三元首相の国葬に関して、東胆振1市4町は当日に弔意を示す半旗を庁舎に掲揚しないことが、苫小牧民報の調べで分かった。国や道の要請がないため―が主な理由で、厚真町を除いて職員に黙とうも求めない。国葬の是非について世論が分かれる情勢も配慮したとみられる。

 苫小牧市は現時点の考えとして、「国からの要請がない限り半旗の掲揚や職員の黙とう、記帳所や献花台の設置なども行わない」としている。岩倉博文市長は、凶弾に倒れた安倍氏の国葬に一定の理解を示しているものの、「(国葬対象者などの)ルールがなく、国民にとって分かりにくい面もあるのは確か」と話す。

 元衆院議員という立場から今月12日に参列の案内状が届いたが、当日は公務のため欠席。自民党苫小牧支部が緑町の事務所に設ける献花台に花を手向け、冥福を祈るという。「安倍元首相には苫小牧市としてもお世話になった。難病を抱えながら2度も日本のリーダーとして国の発展に貢献した」と評価した。

 政府は当日、各省庁で半旗掲揚と黙とうを行う方針だが、国民への弔意強制につながるとの判断から、地方自治体や教育委員会に同様の対応を求めていない。だが、道は庁舎に半旗を掲げる方針で、十勝管内鹿追町など首長判断で掲揚する自治体もあるが、東胆振4町は苫小牧市と同じく「国や道の要請がない」として掲げない考えだ。

 白老町の戸田安彦町長は「歴代首相の中で最長の在任期間を務めた方であり、(個人的に)弔意を示したい」とする。一方で、賛否が交錯する今回の国葬に関しては「実施は国で決めたことなので、岸田文雄首相は国民に丁寧な説明をするべきだと思う」と述べた。

 むかわ町の竹中喜之町長は「安倍元首相は胆振東部地震の際、3町の緊急要望をじかに受け止めてくれた。心よりご冥福をお祈りしたい」としながらも、「(国葬への意見が分かれる)こういうご時世なので、町として特別なことはしない」と述べた。

 安平町の及川秀一郎町長も国葬への対応を考えていないが、「被災者を勇気づけていただいた恩があり、哀悼の意を表したい」と語る。政府が国民に強制しないとした弔意については「人それぞれの心情が大事」と話した。

 厚真町の宮坂尚市朗町長も「要請がない中で半旗を掲げ、町民の議論を二分させることはできない」と語る。しかし、「地震の際、被災者に寄り添い、対策の陣頭指揮を取っていただいた」と安倍氏をしのび、国葬当日は業務に支障のない範囲で町役場職員に黙とうを求めるという。

 安倍氏の国葬をめぐっては、各種世論調査で反対が賛成を上回る。在任中の評価が割れている上、森友・加計学園、「桜を見る会」など相次いだ問題への批判も根強く残る。全額国費で約16億6000万円という費用の多さを問題視する意見も少なくない。

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