保護猫ボランティア10年 相談後を絶たず 市内団体「まち挙げて対策を」

保護猫ボランティア10年
相談後を絶たず 市内団体「まち挙げて対策を」
シェルターで暮らす保護猫たち。遺棄される猫を減らす手だてが必要だ

 野良猫や飼い主が手放した猫などを保護し、新しい飼い主探しをする苫小牧市のボランティア団体が、活動を始めて10年が経過した。これまでに携わった猫は1000匹近くに上り、地道な活動で飼い主につながった猫もいる一方、安易な飼育の末に飼い切れなくなった人からの相談も後を絶たない。団体創立者の藤田藍さん(41)は「ペットの適切な飼育は、まちを挙げて取り組まなければならない重大なテーマだ」と訴える。26日まで動物愛護週間―。

 藤田さんが市内で保護猫の譲渡活動を始めたのは2012年8月。猫の命が粗末に扱われる現状に心を痛め、仲間と一緒に苫小牧保健所に収容されている猫を引き取り、飼い主を探した。

 当初は「殺処分ゼロを目指し、できる範囲内で細々と活動しよう」と思っていたが翌13年6月、不適切な飼育で増え続けた猫を飼い切れなくなる多頭飼育崩壊が市内で発生。保護頭数が一気に増えたことから、数人の有志と共に「苫小牧43匹の猫の会」を立ち上げた。市内の一軒家を借りて、猫を一時的に避難させる「シェルター」も開設した。

 その後、「猫の隠れ里(現ねこのかくれざと)」に名称を変更。譲渡会を定期的に開くなどして飼い主探しに奔走したが、保護頭数は年々、右肩上がりに。一時は200匹を超えた。

 藤田さんは「餌代やトイレの砂などの消耗費、医療費などがかさみ、いつシェルターで飼育崩壊が起きてもおかしくない状態が続いた」と振り返る。高齢でより丁寧なケアが必要な猫も増え、18年春ごろから新たな保護依頼への対応は取りやめた。それでも命が危ない猫を放っておくことはできず、新規の保護もゼロには至っていない。

 さらに近年、高齢の飼い主が亡くなり、取り残された猫に関する相談が増えている。超高齢社会を迎え、「飼い主が元気なうちに、自分に万一のことがあったらどうするかを考え、準備に臨めるよう一歩踏み込んだ働き掛けが必要では」と指摘する。

 同団体では現在、120匹を超える猫を保護。1カ月の支出は30~40万円に上る。寄付金などを活動費に充てているが、常に赤字状態だ。藤田さんは「自分たちはいわば、蛇口からこぼれる水をすくう活動。10年間続けたが、水道の元栓を閉めるような決定的な取り組みには至っていない。ふくしのまちとして真剣に向き合うべき時が来ている」と全市的な対応の必要性を訴えた。

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