北海道開発局は10月31日、苫小牧市文化交流センターで「今、災害に強いしなやかな社会づくりを考える」をテーマとした「防災減災シンポジウム」を開いた。オンライン視聴を含め、市内外から約300人が参加。基調講演で、東京大学大学院情報学環の片田敏孝特任教授は「防災とは地域共通の敵に対し、皆で向かい合うこと」と訴えた。
シンポは苫小牧市との共催で、5日の「津波防災の日」にちなんで企画された。
防災教育などが専門の片田特任教授は「受け身では防災は成り立たない」と強調。甚大な被害想定を逆手に取り、住民が支え合うまちづくりに取り組んだ高知県黒潮町の事例に触れながら「地域を皆で思いやることが、防災力を高めることになる。一人ひとりが最善を尽くすことが大事」と力説した。
質疑応答で参加者からの「高齢化率が高い地域では、住民同士の助け合いにも限界がある」との指摘にも、片田特任教授は「玄関前に姿を見せるなど災害時は逃げる側も努力してほしい。その人にとってのベストを尽くしてほしい」と繰り返した。
このほか、シンポでは苫小牧、室蘭両市の防災担当職員も登壇。道が昨年7月に公表した太平洋沿岸の新たな津波浸水想定に対応すべく、ハザードマップの見直しなどに取り組んでいることを報告した。
柏木町町内会で防災部長を務める同町の会社員福盛克弘さん(64)は「津波の被害想定が拡大し、町内会も対策を練り始めたところ。前向きに考えるヒントを得られた」と話していた。
















