展示解説の注意点など学ぶ ウポポイで研修会  白老

展示解説の注意点など学ぶ ウポポイで研修会  白老
講演する北原准教授

 白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)中核施設・国立アイヌ民族博物館(佐々木史郎館長)でこのほど研修会が開かれ、全国38の博物館から職員、学芸員らオンラインを含め約70人が参加した。同館を中心にアイヌ文化の振興を図る団体「アイヌ文化でつながる博物館等ネットワーク」が主催した。

 研修会は2日間の日程で初日の10日は北海道大学アイヌ・先住民研究センターの北原モコットゥナシ准教授らが講演。北原准教授は、アイヌ民族や文化に関する展示解説の注意点について説明。「無自覚、無意識的に和人文化と比較するなどしてアイヌの精神性を過剰に強調している」と指摘。「他文化と比較せず、アイヌ文化独自の価値や特徴の発信を」と述べた。

 またアイヌ民族文化財団の常本照樹理事長も講演し、2019年5月に成立したアイヌ施策推進法でアイヌ民族が「先住民族」と明記された一方、戸籍で先住民族とするカナダなど諸外国と比較して特定の個人を先住民族と認定するまでには至っていないと、現状を解説した。翌11日は、同館学芸員らが参加者にイナウ(木幣)など民族資料の保管事例を紹介する取り組みも行われた。

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