北海道開発局室蘭開発建設部はこのほど、「平取ダム」の竣工（しゅんこう）式を平取町民体育館で行い、関係者１２０人が沙流川流域の安全・安心と地域の発展を祈念した。

　１級河川沙流川の洪水調節、流水の正常な機能の維持、水道用水の供給などを目的に、二風谷ダムと平取ダムの二つの多目的ダムを建設する沙流川総合開発事業で、二風谷ダムは１９９８年度から供用開始。平取ダムは２００７年度に着手、１５年度からダム堤体のコンクリート打設を開始し、２１年度の試験湛水を経て竣工式を迎えた。

　室蘭開発建設部の篠宮章浩部長は「事業に携わってきた者として大きな喜び。心新たに日々の管理はもとより、沙流川流域の安全・安心、地域の発展に向け皆さまと連携して取り組んでまいりたい」と述べた。

　国土交通省の石井浩郎副大臣は「自然災害が激甚化し頻発する中、流域治水の考えに基づいて、あらゆる関係者と共に全力で対策を進めていく」とあいさつ。アイヌ語の看板設置やアイヌ文化伝承に重要な植物の保全など流域の魅力向上にも意欲的な考えを示した。