認知症などで判断力が低下した人に代わって財産管理や契約行為などを担う市民後見人が、苫小牧市内で誕生してから今月末で5年となる。わずか3人からスタートした市民後見人は30人まで増え、高齢者や障害者の生活を支えている。養成事業を手掛けるとまこまい成年後見支援センターは、高齢化の進展や家族関係の変化を背景に、今後さらにニーズが高まるとみて人材確保に全力を挙げる。
市民後見人制度は認知症や知的・精神障害などで判断能力が不十分な人の生活を支援する仕組み。成年後見人が本人に代わって財産管理や契約、生活環境を整えるための諸手続きを行う。成年後見人は従来、弁護士や社会福祉士などの専門職、家族や親族などが担うケースが多かった。しかし、家族関係の希薄化や高齢者人口の急増などで、地域に住む市民を新たな担い手とする市民後見人の重要性が増している。
苫小牧市社会福祉協議会が運営する、とまこまい成年後見支援センターによると、市内では2014年度に養成講座が開始。これまでに約180人が講座を修了し、36人の市民後見人が誕生した。12日時点で活動する人は30人で、複数のケースを担当する人もいることから、受任件数は計62件を数える。
同センターは、養成講座修了者の中から活動の意思がある人を「後見支援員」として登録し、市社協が受任する業務に携わってもらうことで必要な知識や経験を身に付ける機会を設けている。後見活動をスムーズに始められるよう独り立ちの準備をする仕組みで、現在は30人が同支援員として活動している。
同センターは「自宅で暮らす認知症高齢者や知的障害者、精神障害者の中には身寄りのない人も増えており、同制度の重要性はさらに高まる」と指摘。市社協が法人として受任する件数も100件近くに上っており、「今以上に担い手を確保しておく必要がある」と力を込める。
同センターでは22年度も夏と冬の2回、養成講座を実施。冬期の講座は14日から全5回を予定し、10人が受講を予定している。「成年後見制度は単なる手続き上の制度ではなく、権利侵害の解消と未然防止の役割もある。理解を広げ、より多くの市民の関心を集めたい」と話している。
















