苫小牧市は、2023~27年度の5年を期間とし、財政運営の指針とする「財政運営持続化計画」(仮称)の素案をまとめた。財政規模に対する地方債(借金)返済額の割合を示す実質公債費比率を10%以下とするなど、財政指標の水準や基金残高の目標値も定めた。計画は今年度内に策定し、人口減少の進展で税収の落ち込みが見込まれる中、持続可能で安定した財政運営を目指す。
新たな計画は、財政健全化計画(07~15年度)や財政基盤安定化計画(16~21年度)に続いて策定する。▽財政運営の目安▽基金残高の管理▽財政指標の管理▽地方債の影響管理―の四つの視点で財政秩序の方針を示した。
財政指標に関しては目標管理ラインとして、借金返済の資金繰り悪化を回避するため、実質公債費比率を10%以下と設定。財政の弾力性を示す経常収支比率は90%以下、将来の財政負担の度合いを判断する将来負担比率は80%以下―とし、財政の健全化を維持する方針を示した。
基金残高も目標値を設定。自治体の貯金に当たる財政調整基金は20億円以上、災害応急復旧事業などに充てる備荒資金は10億円以上、借金返済に必要な減債基金は20億円以上、苫小牧市民文化ホール整備などに使用する公共施設整備基金は15億円以上とした。
30億円以上をキープしていた財政調整金は21年度、新型コロナウイルス感染拡大による経済対策事業などの予算化で大きく取り崩したため、一時15億円程度まで減った。財政上の大きな影響は出なかったものの、安定化に向けては基金残高の目標確保や管理が重要―と市財政課の担当者は言う。
市は人口減に伴う税収減のほか、老朽化した公共施設の更新もあって厳しい財政状況が続くと予測している。施設建設など地方債利用の事業費は28年度に617億円に膨れ上がると試算。その後、減少傾向となるが、33年度は569億円、38年度は515億円と高水準を見込む。一方、市民文化ホールなど大型施設の整備や既存施設の老朽化対策と更新で借り入れが増加。返済の地方債償還額は29年度に58億円にまで増え、21年度比で12億円増になるとみている。
新計画の策定作業を進める財政課の担当者は「将来的にも市の財政は厳しく、安定運営の指針となるプランにしたい」としている。
















