苫小牧海保の22年海上犯罪送致、過去10年で最少 密漁が大半、啓発に力

苫小牧海保が押収した密漁の道具や海藻類(苫小牧海保提供)

 苫小牧海上保安署は、管轄海域(苫小牧市、厚真町、むかわ町)での2022年の海上犯罪取り締まり状況を公表した。送致件数は前年比29件減の13件となり、過去10年で最少を更新。個人消費を目的としたレジャー感覚の密漁が大半を占めており、同署はパトロールを強化しながら啓発活動にも力を入れる方針だ。

 22年の海上犯罪は、違法漁具による採捕や漁業権侵害といった密漁に伴う漁業関連法令違反が7件と最多。密漁の内訳はコンブなど海藻類が5件、ホタテ、アサリが各1件だった。

 昨年3月に検挙した男は刃渡り9センチの鎌を使ってワカメ5・55キロを密漁したとし、道漁業調整規則違反、銃刀法違反の疑いで苫小牧区検察庁に送致された。調べに対し男は「ただでたくさん食べられると考えた」と供述。同署の中村敦次長は「個人消費であっても密漁は犯罪」と強調し漁業法上、密漁の罰則は最大で3年以下の懲役または3000万円以下の罰金が科されると説く。

 この他、4月には苫小牧へ航行中のフェリー内で乗客の現金や下着を盗んだとして20代の大学生の男を緊急逮捕。船舶事故に伴う、業務上過失往来危険容疑での送致も2件あった。

 同署はパトロールの時間帯や場所を見直しながら警戒体制を強化。中村次長は「不審な動きを見聞きしたら情報提供を」とアピールする。海の事件、事故の緊急通報ダイヤル「118番」の間違い電話が多い現状を踏まえ、観光施設に啓発ポスターを配るなどし適正利用も促していく考えだ。

 一方、船舶事故は前年比4隻増の7隻。事故類型を見ると、衝突が6隻を占めた。船種別では前年はなかったタンカーやフェリーを含む「その他」が4隻、貨物船、漁船が各1隻だった。

 人身事故は前年と同数の7人。内訳は自殺と海中転落が各1人、負傷は3人でそれぞれ貨物船内で作業中の軽傷だった。苫小牧市真砂町の海岸でサーフィン中の40代男性が沖に流され、同署の巡視艇で無事救助される「帰還不能」事案もあった。

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