アイドルグループ「SKE48」の元メンバーで、乳がんで左乳房の全摘出・リンパ節切除の手術を経験したタレント矢方美紀さん(30)が19日、苫小牧市文化交流センターで講演した。「やるしかない! 乳がんになっても前を向いて」をテーマに矢方さんは「がんは年齢に関係なくかかる。(私の経験談を)検診の大切さを考えるきっかけにして」と訴えた。
日本生命保険相互会社苫小牧支社(岩田麻理子支社長)主催の乳がんセミナーで、市と市医師会が後援。女性を中心に約140人が耳を傾けた。
矢方さんの乳がん発覚は25歳の時。乳がんで亡くなった元フリーアナウンサー小林麻央さんを特集したテレビ番組を見て、「若くてもがんになり、死ぬことがある。がんは怖い」と認識したのがきっかけだった。それまでは「検診の対象も40歳以上。『ザ健康』で過ごしていた自分は気にすることはなかった」と振り返った。
セルフチェックで左胸の異変に気付き、「石みたいに硬いしこりがあった。痛みもただれもないが、不安になった」と受診を決心。結果、乳がんはステージ2Bで、左胸を全摘する必要性を告げられ、「乳輪、乳頭も残せず、他人にどう見られるかショックだった」と絶望感を味わった。
手術後も抗がん剤や放射線治療、ホルモン療法を続け、「今は地毛だが、髪の毛がない時期もあった。むくみが出て、肌はぼろぼろ。吐き気やめまいもあった」などつらい経験を回想。生理も止まり、「当たり前のことがなくなるのは怖い。将来、子どもを産めるのか、結婚できるのか、不安でストレスだった」と述べた。
一方、当時は子どもの頃からの夢だった声優に挑戦しようとSKE48を卒業したばかりで、「病気のせいで仕事ができなくなるのは嫌。諦めないといけないことなんてない」と術後約2週間で仕事に復帰。「再発の不安は拭い切れないが人生は一度きり」と奮い立ち、自身の経験などを積極的に発信してきた。
「周りから『かわいそうに』と言われることもあるが、誰かの人生のきっかけになれるのは幸せ」と話し、「検査が怖い、仕事が忙しいと検診を受けない人がいるが、分かった時に手遅れが本当に怖い。自分を守れるのは自分。がん検診の大切さを自分ごととして考え、気になるときは受診を」と呼び掛けた。
















