2022年末での各自治体の人口統計が公表され始めている。北海道なら苫小牧市を含め、ほとんどの自治体が減少だ。少子高齢化が進み、どうしたらこの人口減を止められるのか。自治体はあの手この手と知恵を絞るが、特効薬は見つかってはいない。それが人手不足にもつながっている。
そんな中で島根県内の離島「海士(あま)町」の人手不足対策が興味深い。観光が産業の一つだが、業種によって繁忙期が異なる。例えば観光シーズンは宿泊業、収穫期は農業がそれぞれ忙しい。それを時期に応じて働く場所を変えていくという仕組みをつくった。組織横断的な「複業」のスタイルだ。
都市部で希望する若者と事業者をマッチングする組合も設立。一定期間、働いた後は就職と定住を促すという。東胆振地域でも実績を上げている「地域おこし協力隊」と似ているが、あくまでも複数の仕事に就くという面では違う仕組みで、むしろ任期を終えた協力隊にも呼び掛けているという。
季節ごとに複数の異なる仕事の提供は苫小牧では難しいかもしれないが、東胆振地域は十分に想定できる。国もこの「島根モデル」で制度を作った。参考にできる取り組みの一つだ。(昭)









